SX-150
秋月で扱っている 10 個入り 100 円のショットキ・バリア・ダイオード「HN2S01FU」を入手したので、リニア VCO の Franco の補償に使ってみました。 今回は、MC14577 を使用して波形写真を撮るだけで、特性の測定はしていません。 いつものように、まず、電…
今回は CMOS アナログスイッチによる回路です。 下の回路図のように、当初はワンゲート CMOS ロジック (0.95 mm あるいは 0.65 mm ピッチの 5 ピン・パッケージに CMOS ロジックを1回路のみ内蔵したもの) の TC4S66F を使った回路を試したのですが、アナロ…
前回は、2端子スイッチング素子であるダイオードを使って、積分コンデンサに直列に接続する抵抗を、電流の向きによりスイッチングする回路を扱いました。 それに対し、今回は、3端子のスイッチング素子を使い、コントロール信号によって ON/OFF を切り換え…
今回は、前回の記事で書き忘れたことの補足です。 まず、使用するショットキ・バリア・ダイオードの選択方法について何も述べませんでしたが、実際には、特別な制約はありません。 信号のトランジェントは μs オーダーであり、順方向電流は 2 mA 程度ですか…
今回は、SX-150 方式のリニア VCO での直線性補正について考えます。 基本は、通常のリセット方式で使われる「Franco の補償」を流用したものです。 まず、周波数が低い領域では、通常のリセット方式と同様の誤差の誤差量となることを、式の上で示します。
今回はコンパレータの伝達遅延 (応答速度) の影響について考えます。 まずは、上側のスレシホールド からです。
今回は大電流領域で効いてくる2種の誤差の内のひとつを取り上げます。 一般的なリセット式のリニア VCO での誤差の出方については、Franco の補償 (高域補償) と関連して、すでに述べてあります。 SX-150 の方式では、リワインド式と同様に、一定電流を積分…
リニア VCO 部の各種の誤差要因を式で表現し、測定結果と比較してみました。 小電流領域での要因として1種、大電流領域での要因として2種を考慮しましたが、大電流領域での一致が良くありません。 おそらく、定式化しにくく考慮していない要因のためと思わ…
リニア VCO 特性のリファレンスとして、原理的に誤差要因の少ないリワインド式の回路を構成して測定してみました。 回路図を下に示します。
プルアップ/プルダウン付きの NJM2904 で、入力電流の多い領域で、のこぎり波の上端がクリップした状態の波形写真を下に示します。
だいぶ間があいてしまいましたが、各種の OP アンプを差し替えてリニア VCO の特性を測定してみました。 測定回路を下に示します。
最後は LM358/LM324/LM2904/LM2902 の系統の OP アンプのグループです。 JRC 製、NS 製、MOTOROLA 製、NEC 製の LM2904/LM358 の波形写真を示します。
今回は 5 V 電源では規格外の使用となる OP アンプのグループです。 正負両電源ではポピュラーな JFET 入力の TL082 系列の、NJM072 と NJM2082 です。 どちらも動作電源電圧の最小値は ±4 V (単一電源では 8 V) です。 当然、5 V 電源では規格外となります。
今回は CMOS OP アンプのグループです。 MOS FET 入力なのでバイアス電流は少なく、入力電流の小さい時、つまり低い周波数でも問題ありません。
今回からは、OP アンプの種類別に波形写真の説明をしていこうと思います。 まず最初に説明すべきなのは LM358 のグループなのですが、JRC 製の NJM2904 の波形写真の準備がまだできていないので後に回し、今回はその他のバイポーラ OP アンプのグループです。
SX-150 のリニア VCO 部分の回路図を下に示します。 OP アンプによる積分器と、OP アンプによるヒステリシス・コンパレータを組み合わせた、リセット型 VCO に分類されるタイプです。
私は SX-150 を持っていないので、実験用に SX-150 の VCO まわりの回路を基板に組みました。 実験が目的であり、音を聞いたり、演奏したりすることを意図していないので、EG や VCF は実装していません。 これを PX-150 (パクリ・エックスの意) と名付けま…
OP アンプ出力から抵抗を介して共通エミッタをドライブする形式のアンチログ回路では、Vbe に比べて OP アンプ出力を「大振幅」で動作させることにより、前に述べたような機能を持たせています。 正負両電源方式では、±10 V 電源の場合でも OP アンプ出力と…
Minimoog 前期型のアンチログ回路を下に示します。 前回示した一般的な回路では、抵抗を介して OP アンプ出力から共通エミッタ電流 (テイル電流) を供給していたのに対し、この回路では、トランジスタを使ってテイル電流の値をコントロールしています。
「エミッタ電流のセンス」の例として、Minimoog 前期型のアンチログ回路を取り上げます。 この回路は一般的な、エミッタを結合したペア・トランジスタによるアンチログ回路です。 この回路形式は、単電源動作でも十分実現できることを示します。 その前に、…
これまでは、ベース電流補償のような回路的な要因による誤差を扱ってきましたが、ここでは、トランジスタ自体の持つ誤差の補償を考えてみたいと思います。 理想的な ΔVbe - Ic 特性を阻害する要因のひとつとして、「エミッタ直列抵抗」としてシミュレーショ…
これまでベース電流補償回路について述べてきましたが、そもそもベース電流が流れなければ、補償する必要はありません。 Q2 のベースをドライブする Q902 を NPN トランジスタではなく、Nチャネル MOSFET にすればゲート電流は流れません。 ただし、Q901 の …
これまでの回路では、抵抗 R902 によって約 1 μA の参照電流を直接設定していました。 しかし、この方法ではアンチログ入力電圧によって電流の設定値が減少してしまう欠点があります。 単なる抵抗の代わりに定電流源を使用すれば、この問題は解決します。 こ…
まず、「OP-07」方式の変形を下に示します。 これは、電流のコピーと 倍する順番を入れ替えたものです。
前回述べたように、ベース電流補償はリセット型 VCO の高域補償に振り替えて行うことができます。 これから述べるアンチログ回路内部でのベース電流補償は、温度特性が良好な方式では追加のトランジスタを2個以上必要とするので、実用的な価値は低いかも知…
この回路は「ベース電流補償型カレントミラー回路」を基本とするものなので、Q2 のベース電流は Q902 のエミッタから供給されますが、Q902 自体のベース電流は R902 を通じて流れ、その分、Q901 のコレクタ電流が減ってしましいます。 この Q902 のベース電…
ブレッドボードのアルミ板をグラウンドに落とした上で、ベース結合アンチログ回路の特性を再測定しました。 コレクタ電流 の測定のためテスタを接続すると、テスタリードを通じてハムが乗ってしまうので、電流を実測するのはあきらめ、計算によって求めるこ…
前回、測定回路が電流値の低い部分で不安定と書いたのですが、実際には、電源ハムが乗ったせいであることが分かりました。 測定回路を秋月で扱っているブレッドボード「EIC-104」上に組んだのですが、土台のアルミ板に触れると誘導するハムの量が変化します…
ベース結合アンチログ回路の特性の測定結果から CV 電圧と Q2 のコレクタ電流 (の対数) との間の回帰直線を求めました。 このうち、 の小さい部分は測定誤差が大きく、また、 の大きい部分は Q902 のベース電流による誤差が大きいと考えられるので、電流の最…
これまで「SX-150 用の温度補償回路」と呼んできましたが、もっとシンプルに「ベース結合アンチログ回路」と呼ぶことにします。 やっと、ベース結合アンチログ回路の特性を測定しました。 今日の記事では結果のグラフを示すだけとし、詳しい解析は次回以降の…