SX-150 の VCO の温度補償 (7) -- 特性測定(5)

ブレッドボードのアルミ板をグラウンドに落とした上で、ベース結合アンチログ回路の特性を再測定しました。
コレクタ電流 I_{\rm C} の測定のためテスタを接続すると、テスタリードを通じてハムが乗ってしまうので、電流を実測するのはあきらめ、計算によって求めることにしました。
はじめは抵抗の公称値で計算していて、結果はいまひとつという感じだったのですが、抵抗の実測値を使って電流値を計算すると良い結果が得られました。
CV 電圧の測定値は、前回の測定と 3 〜 4 mV 程度の差しかありませんでした。
回帰直線からの偏差をセント単位で表示したグラフを下に示します。

回帰直線の計算には CV 電圧が約 0.5 〜 2 V の範囲のデータを使っています。
0.5 V 以下で悪くなっているのは、おそらく測定誤差だと思われるので、この回路では約 2 V 以下の CV、つまり約 7 オクターブの範囲に対しては十分な精度を持っていると言えます。
2 V 程度以上では明らかに I_{\rm C} が減少しており、これは Q902 のベース電流の影響だと思われます。
つまり、10 オクターブの動作範囲を望むなら、アンチログ部でのベース電流補正か、あるいはリニア VCO 部での補正が必要になります。
これで、この回路の特性が大体分かったので、今後は測定回路を基板に組んで温度特性の測定や、トランジスタアレイを使った回路の測定、ベース電流補償回路の測定を進めるのと同時に、SX-150 相当の回路の製作も進めて、SX-150 改造方法の検討をしたいと思っています。