2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

リボンコントローラ回路 (3)

今回は、正負2電源が必要ですが、Collector 電極 (2 番端子) の接触抵抗の変化の影響が小さい回路について考えます。 「SoftPot」は、データシートの表紙に「Membrane Potentiometer」と書いてある通り、ポテンショメータ、つまり、固定電極の 1 番端子と 3…

リボンコントローラ回路 (2)

前回の回路で言い忘れていましたが、あの回路はリボン・センサである SoftPot のすぐそばに実装する「センサ・アンプ」部で、シンセ用の CV やゲート信号は (センサ部とはケーブルで接続される) 後置の本体回路で生成します。 また、前回は、押す/押さない/…

リボンコントローラ回路 (1)

アナログシンセビルダーズサミット 2009 の takeda さんのプレゼンで、Spectra Symbol 社の 500 mm の 「SoftPot」 を使ったリボンコントローラで 10 mVp-p 程度のノイズが取りきれないというお話がありました。 私は SoftPot は持っていないので、実際に試…

別のアンチログ回路 (3) -- アナログシンセの VCO ブロック (40)

前回の回路は、差動入力電流に対してアンチログ特性の出力電流を得るものですから、ピッチ CV のサミング・アンプが差動電流出力でなければ、何らかの形の電圧-差動電流変換回路が必要になります。 まず思いつくのがエミッタ直結のトランジスタ2個による差…

別のアンチログ回路 (2) -- アナログシンセの VCO ブロック (39)

まず、文献 [*1] の中の 第5章 増幅回路、5.6 差動電流増幅回路(4)、pp.127、図5.10 出力電流が指数的に増大する差動電流増幅回路 について説明します。 *1:青木 英彦 著:「アナログICの機能回路設計入門―回路シミュレータSPICEを使ったIC設計法 (C&E TUTOR…

別のアンチログ回路 (1) -- アナログシンセの VCO ブロック (38)

アンチログ回路については、これまで「VCO」カテゴリの中に入れていましたが、「アンチログ」のカテゴリを新設しました。 以前、単電源・低電圧での実現に適した、「ベース結合アンチログ」と名付けた回路を示しましたが、今回、別の回路を考えました。 とい…

Gilbert Sine Shaper (14)

GSS

MOS FET の差動ペアの式のフーリエ変換の公式を見つけられないと書きましたが、それに近い公式を見つけました。 「岩波 数学公式」第 II 巻、§53、pp.276 に次のような式が載っていました。 ここで、 は正の数、 は実部が 1/2 以下の複素数、 はガンマ関数、…

Gilbert Sine Shaper (13)

GSS

「岩波 数学公式」第 I 巻、第 VI 編 平面曲線、§64 の型の曲線、第 6.30 図、pp.273 に「S 字カーブ」となる、次のような式が載っていました。 この式の平方根を取ると、 (および、この式の符号をマイナスにしたもの) となります。 この式のグラフを下に示…

Gilbert Sine Shaper (12)

GSS

MOS FET で、しきい値電圧 を超えるゲート・ソース間電圧 をかけて、強反転領域かつ、ドレイン電圧が十分高くて飽和領域にある場合、ドレイン電流は模式的には次のように表されます。 このような MOS FET で差動ペアを構成すると、その差動出力電流と差動電…

Gilbert Sine Shaper (11)

GSS

前回求めた、誤差関数による GSS の式を再掲すると、 となります。 「誤差関数」バージョンであることを示すために、高調波のレベルを決める因子の に「erf」サフィックスを付けました。 tanh バージョンと同様に、プログラムで級数の計算を行って FFT をか…

Gilbert Sine Shaper (10)

GSS

「誤差関数」(error function) と言っても、統一された定義というものは存在していないので、使用する場面に応じて定義を確認しておくことが必要です。 級数の数値計算プログラムに使っている C 言語 (libm ライブラリ) での定義は、 となっており、正の x …