2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

アナログシンセの VCO ブロック (19) -- リニア VCO 回路(14)

次は、違うタイプの電流反転方式です。 今まで説明してきたタイプでは、タイミング・コンデンサの一端は接地され、他方の端子にソース電流とシンク電流とを交互に流して三角波を発生させるものでした。 このタイプでは、コンデンサに常に正の電圧が掛かるよ…

アナログシンセの VCO ブロック (18) -- リニア VCO 回路(13)

次は Curtis Electromusic Specialties 社のアナログシンセ用 VCO チップ CEM3340 を取り上げます。(廃品種) とは言っても、私はこのチップを見たことも使ったこともありません。 データシートのブロックダイアグラムをネタに話を進めます。

アナログシンセの VCO ブロック (17) -- リニア VCO 回路(12)

ここからは、「電流反転方式」の話です。 カレント・ミラーなとで、入力電流 I のコピーの +I、-I を作り出し、タイミング・コンデンサに交互に流します。 IC 化に適しているので、 PLL IC の VCO 部などに多用されています。 基本的にコンデンサの両端の電…

アナログシンセの VCO ブロック (16) -- リニア VCO 回路(11)

4151 を使ったリワインド方式 VCO の実際の回路例として、Rhodes Chroma の例を示します。

アナログシンセの VCO ブロック (15) -- リニア VCO 回路(10)

リワインド方式では、リセット方式のところで示した「1コンパレータ + ワンショット」が基本の発振メカニズムとなります。

アナログシンセの VCO ブロック (14) -- リニア VCO 回路(9)

リセット方式についての話は、いったん終わりにします。 後で再び触れる機会はあると思います。 ここからは「リワインド方式」について解説します。

アナログシンセの VCO ブロック (13) -- リニア VCO 回路(8)

今度は、本当に (C) ワンショット・コンパレータを使っている Doepfer A-110 VCO です。

アナログシンセの VCO ブロック (12) -- リニア VCO 回路(7)

今回は、(C)ワンショット・コンパレータを使っている Minimoog 後期型の VCO 部です。 と思ったのですが・・・

アナログシンセの VCO ブロック (11) -- リニア VCO 回路(6)

ここからは、いくつかの実際の回路に触れます。 まず、(D)の SCR 相当の回路を使っている KORG MS-20 の VCO 部です。

アナログシンセの VCO ブロック (10) -- リニア VCO 回路(5)

(D) サイリスタ (SCR) 類似の回路あるいは PUT (Programmable Unijunction Transistor) 類似の回路 PUT は PNPN 接合で構成される半導体素子で、構造的には N ゲートサイリスタと呼べるものです。 SCR および PUT は、ごく簡単に言えば、順方向電流を流すか…

アナログシンセの VCO ブロック (9) -- リニア VCO 回路(4)

(C) コンパレータ1個とワンショット回路 タイミング・コンデンサの電圧が上端に達したことを検出するコンパレータ1個と、それをトリガとして一定の時間だけ信号を出すワンショット回路(モノマルチ)で構成される回路です。

アナログシンセの VCO ブロック (8) -- リニア VCO 回路(3)

リセット方式の続きです。 次は発振メカニズムによる分類です。次に示すものが良く使われます。 リセット方式に限らず他の方式に使われる方法も含まれています。 (A) コンパレータ2個と SR-FF (B) ヒステリス・インバータ(シュミット・トリガ)あるいはヒス…

アナログシンセの VCO ブロック (7) -- リニア VCO 回路(2)

このぎり波 (sawtooth wave) およびランプ (ramp) 波形の傾斜が緩やかな部分と、傾斜が急な部分、それぞれの名称について調べても分からなかったので、ここでは適当に、それぞれ「緩斜辺」、「急斜辺」と呼ぶことにします。 どの方式の VCO でも、緩斜辺の部…

アナログシンセの VCO ブロック (6) -- リニア VCO 回路(1)

つづいては、アンチログ回路につながる (電流入力) のリニア VCO の回路方式についての話題です。

ピタット・アンチログ実験回路

ピタット (PTAT) 電圧源を使ってアンチログの温度補償をする回路の実験を計画中です。 回路図は(→こちら)。

トランジスタ都市伝説? (3)

この記事は、私がふだん思っていることを述べただけで、実証に基づくわけではなく、誤りが含まれているかも知れません。 信じるか、信じないかは、あなた次第です。 熱結合伝説

トランジスタ都市伝説? (2)

この記事は、私がふだん思っていることを述べただけで、実証に基づくわけではなく、誤りが含まれているかも知れません。 信じるか、信じないかは、あなた次第です。 マッチング伝説

トランジスタ都市伝説? (1)

この記事は、私がふだん思っていることを述べただけで、実証に基づいて言っているわけではありません。 もちろん、実験により実証したいとは考えていて、いくつかは計画中です。 すでに先人により、私の考えが誤りであることが実証ずみなのを知らないだけだ…

アナログシンセの VCO ブロック (5) -- アンチログ回路(4)

アンチログ回路の温度補償について述べて来ましたが、ここで、やっとピタット (PTAT) 電圧源の登場です。 スケーリング係数 を絶対温度 に比例する形にするのは、数式の上では簡単で、ピタット (PTAT) 電圧を掛けてやるだけです。 これをアナログ回路で実現…

ピタット (PTAT) 電圧源 (3)

intel の PC 用プロセッサは Pentium II (Deschutes の世代) から CPU ダイ上にダイ温度測定用のダイオード (thermal diode) を内蔵するようになりました。 このダイオードを利用して CPU ダイ温度を測定する IC が各種作られていますが、その初期のものにア…

アナログシンセの VCO ブロック (4) -- アンチログ回路(3)

特性の揃ったトランジスタをペアで使うことにより による非線形な温度依存性をキャンセルすることができましたが、まだ に比例する温度依存性が残っています。 VCO ブロックへの CV 入力電圧を とすると、アンチログ回路出力は に比例することになります。 …

ピタット (PTAT) 電圧源 (2)

ディスクリート・トランジスタあるいはトランジスタ・アレーの場合の実際の回路例を左に示します。 Q1, Q2 は差動アンプとして動作しますが、OP アンプによりコレクタ電流の比が一定値 N になるように Q2 のベースがドライブされています。

ピタット (PTAT) 電圧源 (1)

「PTAT」 とは Proportional To Absolute Temperature (絶対温度に比例する(何々)) の頭文字を取ったもので、エレクトロニクスの世界では一般的な用語のようです。 それを、ちょっと面白がって、無理やり「ピタット」と呼んでみました。

アナログシンセの VCO ブロック (3) -- アンチログ回路(2)

実際のアンチログ回路としては、ふたつのトランジスタを差動対の形で組み合わせ、OP アンプで定電流回路を構成したものが使われます。 まず、トランジスタ Q1, Q2 のエミッタは接続されているので、 より、 が成り立ちます。 これで、前述の の式の指数関数…

アナログシンセの VCO ブロック (2) -- アンチログ回路(1)

アンチログ (anti-log) 回路とは、対数 (logarithm) 関数の逆関数である指数 (expornential) 関数を求める回路のことです。 「アンチログ」と呼ばれるのが一般的で、なせか、あまり「指数アンプ」とは呼ばれないようです。 回路の実現方法として良く使われる…

アナログシンセの VCO ブロック(1) -- 構成

ごく一般的な V/Oct タイプの CV の VCO の構成図を(→こちら)に示します。 VCO ブロックは、次の3つの部分から構成されています。

ディジタルオーディオ用 DAC をマイコンにつなぐ(1)

DAC

ディジタルオーディオ用 DAC を、ワンチップ・マイコンに、内蔵ペリフェラルの SPI (Serial Peripheral Interface) を利用してつなぎます。

LM13700 の SPICE モデル

VCF, VCA などで良く使われるオペレーショナル・トランスコンダクタンス・アンプ (OTA) の LM13700 の SPICE モデルは NS のサイト(→こちら)で公開されています。 無償で利用できる Linear Technology 社の LTSpice/SwCAD III に組み込んで問題なく使えるの…

ヤマハの「FM音源」は本当にFM(周波数変調)か

結論から言うと、ヤマハの「FM音源」は周波数変調ではなく、位相変調(PM) です。

FM音源とは

FM音源とは、Wikipedia によれば FM音源(エフエムおんげん)は、Frequency Modulation(周波数変調)を応用する音色合成方式を用いた音源。減算式アナログシンセサイザーにはない複雑な倍音を持った金属的な響きを出す。ジョン・チョウニング博士を中心と…