2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧
これまで求めてきた式の導出過程を振り返ると、g(x) を(もちろん実関数の)奇関数という仮定のみから変形してゆき、奇数次の高調波成分からなるフーリエ級数形式の結果を得ました。 GSS 回路の入力電圧 Va に対して、 2E を周期とする周期関数 偶数次高調波は…
(10/28 使用したプログラムにバグがあり、結果のグラフが誤っていたので差し替え、記事を修正しました) (10/29 さらに、プログラムに与えるパラメタに誤りがあり、再度差し替えました) 前回求めた、サイン波の高調波成分の振幅の近似式を利用すると、出力の…
これまでに求めた、サイン波の高調波成分の振幅を表す式、 の中の cosech 関数は、指数関数の級数を使って、 (「岩波 数学公式 」II 巻、§37、pp.205) と表すことができます。
最後に残ったのは tanh 関数の(逆)フーリエ変換を求めることですが、当然、自力では計算できないので、公式に頼ることになります。 「岩波 数学公式」II 巻、§53、pp.278 に双曲線関数のフーリエ変換の表が載っています。 その最初の行が、 であり、フーリエ…
前回は、ポアソンの和公式から、 の(逆)フーリエ変換 を用いて を記述しました。 両者の違いは の因子だけなので、その点に注意して を計算すると、
ポアソンの和公式 (Poisson summation formula) とは、簡単に言うと、フーリエ級数 (フーリエ展開) とフーリエ変換との関係を表すものです。 「岩波 数学公式」II 巻、§51、pp.263 の「Poisson の和の公式」の 2 番目の式 を利用して計算を進めます。 ()
前回求めた式に を代入して、文献のような回路の実際の電圧の入った式にすると下のようになります。
しばらく Gilbert Sine Shaper 自体の話が続き、SSM2164 の回路の話からは離れるので、記事のカテゴリを独立させました。 文献 *1 では、下のような式が示されています。 tanh(・) を 5 項で打ち切った式なので近似式であることは自明ですが、理論的に無限個…
秋月で ATmega328P の取り扱いが始まりました。 単価 250 円 と安価なので、ATmega を使った FM 音源プログラムの対象デバイスを ATmega168 から ATmega328P に変えることにしました。 プログラム・メモリが 32 K バイトに倍増しているので、168 では共存で…
SSM2164 (V2164) の別の応用例として、以前の記事 (→こちら) で触れた、ギルバート・サイン・シェーパー (Gilbert Sine Shaper) を取り上げます。 Gilbert Sine Shaper (以下「GSS 回路」) では、複数の tanh(・) 特性を合成してサイン特性を近似しています…