Gilbert Sine Shaper (4)
ポアソンの和公式 (Poisson summation formula) とは、簡単に言うと、フーリエ級数 (フーリエ展開) とフーリエ変換との関係を表すものです。
「岩波 数学公式」II 巻、§51、pp.263 の「Poisson の和の公式」の 2 番目の式
を利用して計算を進めます。 ()
ここで、この本では のフーリエ変換を と表記し、(II 巻、§51、pp.261)
のように定義しており、その逆変換は (II 巻、§51、pp.262)
のような定義です。
ところが、前出の和公式は矛盾していて、このフーリエ変換対の定義にしたがうならば、左辺の指数の部分は
になるはずです。
逆に、指数関数は公式通りとすると、フーリエ変換対の定義をお互い逆にする必要があります。
ここでは、指数関数は公式通りで、 は の逆フーリエ変換と解釈します。
まず、方針として tanh 関数をそのまま使わず、もっと一般的に と置いて、奇関数であることだけを利用し計算を進めていき、最終的に(逆)フーリエ変換を求める段階で tanh 関数に戻します。
したがって、tanh 関数の級数は
となります。 ここで、 は扱いにくいので、 が偶数の項と奇数の項に分けました。
さらに、
と定義すると、
と表すことができます。 に対して公式が適用できるように、
と置くと、
となります。 2行目から3行目への変形でポアソンの和公式を使いました。 4行目で置き換えを元に戻しました。
同様に、
となります。
以下、次回に続きます。