Gilbert Sine Shaper (7)
これまでに求めた、サイン波の高調波成分の振幅を表す式、
の中の cosech 関数は、指数関数の級数を使って、 (「岩波 数学公式 」II 巻、§37、pp.205)
と表すことができます。
が大きいとして、この級数の第一項だけで近似すると、
となります。
この公式を知らなくても、 が大きいとき ですから、cosech 関数の定義から、
となります。
この近似を使うと、
と書くことができ、文献の
に近い形になります。
文献の式では分母が になっていますが、おそらく、それは間違いだと思います。 さらに、 の因子も抜けています。
振幅の式を指数関数を使って近似すると、
となるはずです。
この近似の精度はかなり良く、引数の値が小さくて誤差が多くなる条件、たとえば、 の場合でも cosech 関数を使った正確な式の値との差は 0.2 dB 程度です。