2008-01-01から1年間の記事一覧

PX-150 (5)

今回は 5 V 電源では規格外の使用となる OP アンプのグループです。 正負両電源ではポピュラーな JFET 入力の TL082 系列の、NJM072 と NJM2082 です。 どちらも動作電源電圧の最小値は ±4 V (単一電源では 8 V) です。 当然、5 V 電源では規格外となります。

PX-150 (4)

今回は CMOS OP アンプのグループです。 MOS FET 入力なのでバイアス電流は少なく、入力電流の小さい時、つまり低い周波数でも問題ありません。

PX-150 (3)

今回からは、OP アンプの種類別に波形写真の説明をしていこうと思います。 まず最初に説明すべきなのは LM358 のグループなのですが、JRC 製の NJM2904 の波形写真の準備がまだできていないので後に回し、今回はその他のバイポーラ OP アンプのグループです。

PX-150 (2)

SX-150 のリニア VCO 部分の回路図を下に示します。 OP アンプによる積分器と、OP アンプによるヒステリシス・コンパレータを組み合わせた、リセット型 VCO に分類されるタイプです。

PX-150 (1)

私は SX-150 を持っていないので、実験用に SX-150 の VCO まわりの回路を基板に組みました。 実験が目的であり、音を聞いたり、演奏したりすることを意図していないので、EG や VCF は実装していません。 これを PX-150 (パクリ・エックスの意) と名付けま…

SX-150 の VCO の温度補償 (16) -- その他の補償 (4)

OP アンプ出力から抵抗を介して共通エミッタをドライブする形式のアンチログ回路では、Vbe に比べて OP アンプ出力を「大振幅」で動作させることにより、前に述べたような機能を持たせています。 正負両電源方式では、±10 V 電源の場合でも OP アンプ出力と…

SX-150 の VCO の温度補償 (15) -- その他の補償 (3)

Minimoog 前期型のアンチログ回路を下に示します。 前回示した一般的な回路では、抵抗を介して OP アンプ出力から共通エミッタ電流 (テイル電流) を供給していたのに対し、この回路では、トランジスタを使ってテイル電流の値をコントロールしています。

SX-150 の VCO の温度補償 (14) -- その他の補償 (2)

「エミッタ電流のセンス」の例として、Minimoog 前期型のアンチログ回路を取り上げます。 この回路は一般的な、エミッタを結合したペア・トランジスタによるアンチログ回路です。 この回路形式は、単電源動作でも十分実現できることを示します。 その前に、…

SX-150 の VCO の温度補償 (13) -- その他の補償 (1)

これまでは、ベース電流補償のような回路的な要因による誤差を扱ってきましたが、ここでは、トランジスタ自体の持つ誤差の補償を考えてみたいと思います。 理想的な ΔVbe - Ic 特性を阻害する要因のひとつとして、「エミッタ直列抵抗」としてシミュレーショ…

SX-150 の VCO の温度補償 (12) -- Q902 のベース電流補償 (5)

これまでベース電流補償回路について述べてきましたが、そもそもベース電流が流れなければ、補償する必要はありません。 Q2 のベースをドライブする Q902 を NPN トランジスタではなく、Nチャネル MOSFET にすればゲート電流は流れません。 ただし、Q901 の …

SX-150 の VCO の温度補償 (11) -- Q902 のベース電流補償 (4)

これまでの回路では、抵抗 R902 によって約 1 μA の参照電流を直接設定していました。 しかし、この方法ではアンチログ入力電圧によって電流の設定値が減少してしまう欠点があります。 単なる抵抗の代わりに定電流源を使用すれば、この問題は解決します。 こ…

SX-150 の VCO の温度補償 (10) -- Q902 のベース電流補償 (3)

まず、「OP-07」方式の変形を下に示します。 これは、電流のコピーと 倍する順番を入れ替えたものです。

SX-150 の VCO の温度補償 (9) -- Q902 のベース電流補償 (2)

前回述べたように、ベース電流補償はリセット型 VCO の高域補償に振り替えて行うことができます。 これから述べるアンチログ回路内部でのベース電流補償は、温度特性が良好な方式では追加のトランジスタを2個以上必要とするので、実用的な価値は低いかも知…

SX-150 の VCO の温度補償 (8) -- Q902 のベース電流補償 (1)

この回路は「ベース電流補償型カレントミラー回路」を基本とするものなので、Q2 のベース電流は Q902 のエミッタから供給されますが、Q902 自体のベース電流は R902 を通じて流れ、その分、Q901 のコレクタ電流が減ってしましいます。 この Q902 のベース電…

SX-150 の VCO の温度補償 (7) -- 特性測定(5)

ブレッドボードのアルミ板をグラウンドに落とした上で、ベース結合アンチログ回路の特性を再測定しました。 コレクタ電流 の測定のためテスタを接続すると、テスタリードを通じてハムが乗ってしまうので、電流を実測するのはあきらめ、計算によって求めるこ…

SX-150 の VCO の温度補償 (6) -- 特性測定(4)

前回、測定回路が電流値の低い部分で不安定と書いたのですが、実際には、電源ハムが乗ったせいであることが分かりました。 測定回路を秋月で扱っているブレッドボード「EIC-104」上に組んだのですが、土台のアルミ板に触れると誘導するハムの量が変化します…

SX-150 の VCO の温度補償 (5) -- 特性測定(3)

ベース結合アンチログ回路の特性の測定結果から CV 電圧と Q2 のコレクタ電流 (の対数) との間の回帰直線を求めました。 このうち、 の小さい部分は測定誤差が大きく、また、 の大きい部分は Q902 のベース電流による誤差が大きいと考えられるので、電流の最…

SX-150 の VCO の温度補償 (4) -- 特性測定(2)

これまで「SX-150 用の温度補償回路」と呼んできましたが、もっとシンプルに「ベース結合アンチログ回路」と呼ぶことにします。 やっと、ベース結合アンチログ回路の特性を測定しました。 今日の記事では結果のグラフを示すだけとし、詳しい解析は次回以降の…

ディジタルオーディオ用 DAC をマイコンにつなぐ(10) -- STARM (Cortex-M3)

しばらくサボっていたのですが、やっとディジタルオーディオ用 DAC (ROHM BU9480F) を CQ-STARM 基板につなぎました。 CQ-STARM 基板に搭載されている STmicro STM32F103VB プロセッサには SPI が2回路内蔵されていますが、SPI1 は SD/MMC カードインターフ…

SX-150 の VCO の温度補償 (3) -- 特性測定(1)

回路をブレッドボードに組んで、動作を確認してみました。 ただし、手持ちの TEMPCO (温度補償抵抗) は 1 kΩ のものしかないので、R901、R5 はそれぞれ 1 kΩ、15 kΩ に変更してあります。 詳しく測定はしなかったので、精度の面については分かりませんが、回…

SX-150 の VCO の温度補償 (2) -- 回路と LTSpice シミュレーション (2)

回路シミュレーションには、無償で利用できる Linear Technology 社の「LTSpice/SwCAD III」を利用しています。 公開されている SX-150 の (定数入り) 回路図では、NPN トランジスタは 2SC1815 を使っているように記されていますが、実際の回路ではチップト…

SX-150 の VCO の温度補償 (1) -- 回路と LTSpice シミュレーション (1)

学研「大人の科学マガジン」別冊「シンセサイザー・クロニクル」の付録アナログシンセ 「SX-150」VCO 部の温度補償回路を考えてみました。 とは言っても、私は SX-150 は持っていないので、LTSpice でのシミュレーションと、 SX-150 類似の回路を組んでの実…

アナログシンセの VCO ブロック (30) -- リニア VCO 回路(21)

リワインド方式のリニア VCO 回路の構成要素として、2007 年 12 月 27 日の記事(→こちら)では、 コンパレータ ワンショット回路 オン/オフ可能な定電流源 OP アンプ積分回路 をあげましたが、今回の回路では、前の3つを HCMOS ロジックのモノマルチ(とR/C/D…

アナログシンセの VCO ブロック (29) -- リニア VCO 回路(20)

波形写真の最後は問題の LM358 の場合です。 まず、出力に負荷抵抗をつけない状態の写真です。

アナログシンセの VCO ブロック (28) -- リニア VCO 回路(19)

OP アンプを差し替えて波形を観測した写真の続きです。 OP アンプの高域特性が悪いために「ツノ」が生じると述べてきましたが、高域特性の良いビデオ信号用 OP アンプを使うとどうなるかを次に示します。 下の写真は CMOS OP アンプで現在は廃品種の MC14577…

アナログシンセの VCO ブロック (27) -- リニア VCO 回路(18)

リワインド方式のリニア VCO 回路の積分器に使っている OP アンプを、手持ちの何種類かに差し替えて波形を観測した写真を掲載します。 自動化、精密化した測定方法については、まだ実現していないので、特性の測定は行っていません。

アナログシンセの VCO ブロック (26) -- リニア VCO 回路(17)

アナログシンセ回路の話題としては数ヶ月ぶりになりますが、急に思い立って、リワインド方式のリニア VCO 回路の実験をしてみました。 実験回路を下に示します。

ディジタルオーディオ用 DAC をマイコンにつなぐ(9) -- MCF52233 + TDA1543A (2)

ColdFire も含めて、これまで使ってきたマイコンでは、SPI ハードウェアのシフトレジスタ長は 8 〜 16 ビットであり、いっぺんに 24 ビットの転送はできません。 したがって、24 ビットを 8 ビット + 16 ビット 8 ビット + 8 ビット + 8 ビット のように分割…

ディジタルオーディオ用 DAC をマイコンにつなぐ(8) -- MCF52233 + TDA1543A (1)

今回は、Philips 製のディジタルオーディオ用 16 ビット・シリアル DAC TDA1543A を CQ-FRK-MCF52233 基板につなぎます。 VS1053b の場合には、「A」タイプは入力フォーマットが I2S ではないため、うまく動作しませんでしたが、マイコンとの接続では I2S で…

ディジタルオーディオ用 DAC をマイコンにつなぐ(7) -- MCF52233

いつものように、ROHM のディジタルオーディオ用 16 ビット・シリアル DAC BU9480F を CQ-FRK-MCF52233 基板につなぎました。 回路図を下に示します。