アナログシンセ回路
coolaudio 製 V3340 は、(ミュージック・シンセサイザ用) VCO IC である CEM3340 のコンパチ品で、1 年ほど前から秋月でも扱うようになりました。 単価 980 円と、結構いいお値段するので気軽に試してみる訳にもいかず、これまで手を出していませんでした。 …
実際に NJW1159 を使った状態変数型フィルタを作成し発振させて、その周波数を測ってみました。 回路規模が大きくなるので、Arduino 用の小さなブレッド・ボード・シールドではなく、大きいブレッド・ボード上に回路を組み、コントロール用のマイコンとして…
JRC 製の普及型電子ボリューム NJW1159 の特性を測定してみました。 公称 1 dB ステップで減衰量を 0 〜 95 dB まで可変できる抵抗ラダーが 2 系統あって、バッファ・アンプも内蔵しています。 この公称 1 dB ステップが 20 × log10(2 ^ (1/6)) = (20/6) × l…
PSoC5LP 内蔵 OP アンプ/TIA (Trans-Impedance Amplifier) を使った状態変数型 2 次フィルタのトップ・レベルの回路図を下に示します。 (図をクリックすると拡大します) 外部回路も記述してあります。
PSoC5LP 内蔵の OP アンプと、SC/CT (Switched Capacitor/Continuous Time) ブロックの PGA (Programmable Gain Amplifier) 機能を利用して、状態変数型の 2 次フィルタを構成する実験をしてみました。 ただし、PGA で可変できるゲインの最大と最小の比が約 …
3.3 V 単一電源での実現を念頭に置いたベース結合型のアンチログ回路を下に示します。 前回同様、LTSpice での回路シミュレーションが目的なので、実際に動作させるには追加の回路要素が必要になります。 アンチログ出力側の Q3、Q4 周辺の回路は前回のエミ…
OTA 2 個でカットオフ周波数とレゾナンスを電圧制御できる 2 次特性 VCF 用のバイアス電流を作成するアンチログ回路について、もう少し具体的な話をします。 今回はエミッタを結合した差動ペアのベース間に CV を加える一般的な形式のアンチログ回路について…
これまで OTA の SPICE マクロ・モデルとして、NS 社の web サイトからダウンロードできる LM13700 のモデルを使ってきましたが、今回 JRC (新日本無線) の web サイトからダウンロードできる NJM13600 の SPICE マクロ・モデルを使ってみてうまく行ったので…
今回は biquad/状態変数型 2 次 VCF の「発振」についてです。 (普通の) OP アンプを使った (反転入力型) 状態変数型 2 次フィルタの回路を下に示します。 「反転入力型」というのは、フィルタ入力と LPF 出力との間が「逆相」になる回路方式であることを示…
今回は、LM13700 の SPICE モデルを 3.3 V 単一電源で動作させて、現実の回路に近い形で AC 解析を行います。 LM13700 を 3.3 V 単一電源で動作させる場合の問題点として、出力コンプライアンス電圧の幅が狭くなることがあげられます。 出力回路はプラス電源…
この回路を LTSpice で AC 解析するための回路図を下に示します。
下の図の OTA による回路での LPF 入力 から LPF 出力までの伝達関数を求めてみます。 まず、A1、C1、B1 および β の「ローカル・フィードバック」を行っている「不完全積分器」の部分の伝達関数 G(s) を求めます。
OTA (Operational Transconductance Amplifier) / VCA / PGA (Programmable Gain Amplifier) を使った 2 次特性の VCF の SPICE シミュレーション / ブレッドボード上の実験を行っています。 カットオフ周波数の電圧制御のためには電圧可変要素を 2 個使用し…
今回は、各種の誤差要因とその影響について考えてみます。 回路自体は OP アンプにレイル・ツー・レイルタイプではなく、手ごろな LM358 / LM324 / LM2904 / LM2902 を使用した場合でも、精度はともかく動作はするように考慮してあります。 実際、ブレッドボ…
アナログスイッチおよび LPF 部の回路を 1 系統分だけ下に示します。 OP アンプ出力と、アンチログ出力トランジスタのベースとの間の 1 kΩ 抵抗は、前回説明したように、ベース電流を制限してトランジスタを保護するためのものです。 LPF 部は OP アンプを 1…
実際の回路の Vbe(MIN) 側の定電流回路を左に示します。 原理を示すブロック図でのバッファ・アンプは省略されており、定電流回路の OP アンプでトランジスタのベースおよびアナログスイッチ入力をドライブします。 その OP アンプ出力と、負荷回路とは、直…
このところマイコンのプログラムばかり作っていましたが、久々にアナログシンセ回路の実験をしています。 それは、 CA3046、TD62507、TD62501 などのトランジスタ・アレイを使い CV として MIDI2CV からの PWM 信号 (ディジタル値) でドライブする 温度補償…
Arp 型のアンチログ回路を、複合トランジスタではなく、ディスクリートの 2SA1015 と 2SA1815 とを使った場合の VCF 発振周波数の測定結果のグラフを下に示します。 前回と同様に、低域で周波数が高くなる現象があり、気になって、いろいろ調べていました。 …
アンチログ回路部分を、PNP と NPN トランジスタの組み合わせによる、いわゆる Arp 型の方式のものに変え、レゾナンスを上げて VCF を発振させた発振周波数の特性を測定してみました。 下に回路図を示します。
3V単一電源動作の VCF 回路を、ブレッドボード上に実際に回路を組んで実験してみました。 現在、アナログ・シンセサイザー・システムの VCF モジュールとして評価するための環境はないので、単に PC で発生させた信号を入力して、出力の波形観察、周波数特性…
前回の記事「3V単一電源動作の VCF (9)」は 2009 年 3 月 24 日付けだったので、約 1 年半ぶりになりますが、3 V 電源で動作するトランジスタ・ラダー型 VCF の実験を再開しました。 Minimoog の回路では、ラダー 4 段 + 差動入力段 + アンチログ出力の、合…
今回は、ホワイトノイズ出力およびピンクノイズ出力のパワーに関する話題です。 まず、フーリエ変換における「パーセバル (Parseval) の式」を示します。 ここで、 と は、互いにフーリエ変換/逆変換の対で、具体的に言えば は時間ドメインでの「波形」で、 …
今回は、前回作成した -3 dB/oct (-10 dB/dec) フィルタを、生成多項式 3 を使った m-系列ノイズ・ジェネレータにつないで測定してみました。 周波数特性を観測するだけではなく、録音したノイズの .wav ファイルをプログラムで処理して、振幅方向の統計的性…
これまで述べて来たのは、各段のラグ・リード・フィルタをバッファを介して接続したり、「低域」と「高域」のように中心周波数の比が約 80 となって互いに影響しにくい状態のラグ・リードをパッシブの状態で組み合わせる方法でした。 この方法には、(各段が…
これまでの方針をふまえて、-3 dB/oct (-10 dB/dec) 特性のフィルタ回路の LTspice シミュレーションを行い、実際にブレッドボード上に実験回路を作成して特性を測定してみました。 まず、下に LTspice に入力した回路図を示します。
前回述べたように、理想特性でもある、折れ線近似での遷移域 (-3 dB/oct スロープの直線部分) の下端の周波数と上端の周波数との比は「9」になります。 したがって、中心周波数の比を 9 に取った2つのラグ・リード・フィルタをバッファを介して従続接続すれ…
今回は、前回の結果に対する補足です。 まず、ラグ・リード・フィルタでは、振幅は (広義) 単調減少なので、微係数は常にゼロかマイナスであり、正になることはありません。 しかし、前回求めた の式は、 であり、見かけ上は、式にマイナス符号が含まれてい…
今回は、左の図のようなラグ・リード・フィルタで、中心周波数付近でゲインのスロープが -3 dB/oct (-10 dB/dec) になる条件を求めてみます。 まず、時定数を とすると、この回路の伝達関数は、 と表されます。
今回からは、ホワイトノイズをピンクノイズに変換するための -3 dB/oct (-10 dB/dec) の周波数特性を持つフィルタについて扱います。 まずは、実例として、minimoog および moog のモジュラーシンセのピンクノイズフィルタ回路を取り上げます。 LTspice によ…
ノイズ出力をピンクノイズ化して音を聞き比べたところ、生成多項式 1、2 と、3 との間には明らかな違いが認められました。 それぞれの wave ファイルを mp3 化したものをこちらに置きました。 これは、リアルタイムにノイズ出力にアナログフィルタをかけたの…