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Gilbert Sine Shaper (14)

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MOS FET の差動ペアの式のフーリエ変換の公式を見つけられないと書きましたが、それに近い公式を見つけました。 「岩波 数学公式」第 II 巻、§53、pp.276 に次のような式が載っていました。 ここで、 は正の数、 は実部が 1/2 以下の複素数、 はガンマ関数、…

Gilbert Sine Shaper (13)

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「岩波 数学公式」第 I 巻、第 VI 編 平面曲線、§64 の型の曲線、第 6.30 図、pp.273 に「S 字カーブ」となる、次のような式が載っていました。 この式の平方根を取ると、 (および、この式の符号をマイナスにしたもの) となります。 この式のグラフを下に示…

Gilbert Sine Shaper (12)

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MOS FET で、しきい値電圧 を超えるゲート・ソース間電圧 をかけて、強反転領域かつ、ドレイン電圧が十分高くて飽和領域にある場合、ドレイン電流は模式的には次のように表されます。 このような MOS FET で差動ペアを構成すると、その差動出力電流と差動電…

Gilbert Sine Shaper (11)

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前回求めた、誤差関数による GSS の式を再掲すると、 となります。 「誤差関数」バージョンであることを示すために、高調波のレベルを決める因子の に「erf」サフィックスを付けました。 tanh バージョンと同様に、プログラムで級数の計算を行って FFT をか…

Gilbert Sine Shaper (10)

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「誤差関数」(error function) と言っても、統一された定義というものは存在していないので、使用する場面に応じて定義を確認しておくことが必要です。 級数の数値計算プログラムに使っている C 言語 (libm ライブラリ) での定義は、 となっており、正の x …

Gilbert Sine Shaper (9)

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これまで求めてきた式の導出過程を振り返ると、g(x) を(もちろん実関数の)奇関数という仮定のみから変形してゆき、奇数次の高調波成分からなるフーリエ級数形式の結果を得ました。 GSS 回路の入力電圧 Va に対して、 2E を周期とする周期関数 偶数次高調波は…

Gilbert Sine Shaper (8)

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(10/28 使用したプログラムにバグがあり、結果のグラフが誤っていたので差し替え、記事を修正しました) (10/29 さらに、プログラムに与えるパラメタに誤りがあり、再度差し替えました) 前回求めた、サイン波の高調波成分の振幅の近似式を利用すると、出力の…

Gilbert Sine Shaper (7)

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これまでに求めた、サイン波の高調波成分の振幅を表す式、 の中の cosech 関数は、指数関数の級数を使って、 (「岩波 数学公式 」II 巻、§37、pp.205) と表すことができます。

Gilbert Sine Shaper (6)

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最後に残ったのは tanh 関数の(逆)フーリエ変換を求めることですが、当然、自力では計算できないので、公式に頼ることになります。 「岩波 数学公式」II 巻、§53、pp.278 に双曲線関数のフーリエ変換の表が載っています。 その最初の行が、 であり、フーリエ…

Gilbert Sine Shaper (5)

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前回は、ポアソンの和公式から、 の(逆)フーリエ変換 を用いて を記述しました。 両者の違いは の因子だけなので、その点に注意して を計算すると、

Gilbert Sine Shaper (4)

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ポアソンの和公式 (Poisson summation formula) とは、簡単に言うと、フーリエ級数 (フーリエ展開) とフーリエ変換との関係を表すものです。 「岩波 数学公式」II 巻、§51、pp.263 の「Poisson の和の公式」の 2 番目の式 を利用して計算を進めます。 ()

Gilbert Sine Shaper (3)

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前回求めた式に を代入して、文献のような回路の実際の電圧の入った式にすると下のようになります。

Gilbert Sine Shaper (2)

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しばらく Gilbert Sine Shaper 自体の話が続き、SSM2164 の回路の話からは離れるので、記事のカテゴリを独立させました。 文献 *1 では、下のような式が示されています。 tanh(・) を 5 項で打ち切った式なので近似式であることは自明ですが、理論的に無限個…