OWON SDS1104 (4)

 今回は操作パネルの話題です。 英文マニュアルでの表記を直訳した用語を使用していきます。
 「メニュー選択ボタン」 (Menu Selection Buttons) と「コントロール領域」 (Control Area) の写真を示します。



 写真の左側に 5 つ縦に並んだグレーのボタンは「メニュー選択ボタン」で、(写真には写っていませんが) LCD 画面に右メニューが表示されている場合のみ機能します。
 薄いグリーンの地の上に「ノブ」 (ロータリーエンコーダ) や「ボタン」が配置されているのが「コントロール領域」です。 コスト削減のため、ノブやボタンの数が絞られているので、操作が直観的でない部分があります。 ノブはプッシュ・スイッチ付きで、ノブを回して入力するほかに、ノブを押し込むことにより割り当てられている機能を選択することができます。
 最上部にあるノブは、Mノブ (多目的ノブ : Multipurpose knob) と呼ばれ、メニュー項目での副次的なパラメタの選択に使われます。 M ノブを押し込むと (もし表示されていれば) メニューを消すことができます。 他の方法によるメニュー消去では、設定が変化する場合がありますが、M ノブによるメニュー消去では、現状の設定を変化させずにメニューの表示だけを消します。
 M ノブの右側に 2 行 3 列の合計 6 個のボタンが配置されているのが「ファンクション・ボタン領域」 (Function Button Area) で、

Utility Autoset Run/Stop
Measure Acquire Cursor

のように配置されています。
 「Run/Stop ボタン」は自照式となっており、Run 状態では緑色に、Stop 状態では赤色に光ります。
 Run 状態の緑色は暗くて周囲が明るい場所では目立ちません。 Stop 状態の赤色は十分な輝度を持ち、周囲が明るくても容易に視認できます。
 その下、横方向に左から、ポジション・ノブ、HOR ボタン、スケール・ノブと並んでいるのが「水平コントロール領域」 (Horizontal Control Area) で、状態によらず、いつでも操作可能です。
 ポジション・ノブは画面のどこにトリガ・ポイントを表示するかを指定するものです。 ポジション・ノブを押し込むと「ゼロ位置」つまり、画面の左右中央の 0 div 位置にトリガ・ポイントを表示します。
 スケール・ノブでは TIME/div を設定します。 スケール・ノブも押し込めますが、機能は何も割り当てられていません。
 HOR ボタンは、アナログ・オシロでの遅延掃引に相当する「波形ズーム・モード」と、ノーマル・モードとの間の切り替えのスイッチです。
 アナログ・オシロの遅延掃引の「A inten by B」のようなモードはなく、波形ズーム・モードでは「主掃引」相当部分を波形表示画面の上 1/3 程度のウィンドウに表示し、「遅延掃引」部分を画面の下 2/3 程度のウィンドウに常時表示します。 ノーマル・モードでは波形表示画面全体に主掃引部分が表示されます。
 波形ズーム・モードと Math / FFT モードは両立せず、HOR ボタンを押すと、必ず波形ズーム・モードに移行します。
 水平コントロール領域の下、縦方向にチャネル選択ボタンが 4 つ並び、その右に縦長に上から、ポジション・ノブ、「Math ボタン」、スケール・ノブと並んでいるのが「垂直コントロール領域」(Vertical Control Area) です。
 垂直ポジション/スケール・ノブは一組しかないので、CH1 / CH2 / CH3 / CH4 ボタンを使って、どの入力チャネルに対する操作であるかを指定します。 チャネル選択ボタンにはそのチャネルの表示 ON/OFF を切り替える機能も割り当てられているので、状態に依存し、操作が直観的に行えない部分があります。
 チャネル番号と波形表示画面でのトレースの色は次のような対応になっていて、変更はできません。
  CH1 #FFD707
  CH2 #57AFFF
  CH3 #FF6F1F
  CH4 #47F807
 「#rrggbb」の表記は HTML での RGB コードの表現です。
 ポジション・ノブを押し込むと垂直位置が上下中央、つまり 0 div の位置にセットされます。
 「Math ボタン」は、ふたつの波形に対する四則演算表示、あるいは指定の 1 チャネルに対する FFT 表示と、通常モードとの切り替えです。
 Math/FFT モードそれぞれ、ポジション/スケール の指定は垂直コントロール領域のノブで直接的には行えず、メニュー階層の中で M ノブを使用して間接的に行います。
 スケール・ノブは押し込めますが、機能は割り当てられていません。
 Math ボタンを押したときに四則演算になるか FFT になるかの切り替えはメニュー中で指定します。
 波形ズーム・モードと Math / FFT モードは両立せず、波形ズーム・モードの状態でMath ボタンを押すと、必ず Math / FFT モードに移行します。
 垂直コントロール領域の右側に縦長に「トリガ・レベル・ノブ」、「Menu ボタン」、「Force ボタン」と並んでいるのが「トリガ・コントロール領域」(Trigger Control Area) です。
 トリガ・レベル・ノブはトリガ電圧レベルの設定で、状態によらず常時有効です。 トリガ・レベル・ノブを押し込むと、トリガ・レベルが自動的に入力信号の振幅の中点に設定されます。
 「Menu ボタン」はトリガ・メニューの呼び出しです。 トリガ入力として使用する入力チャネルの指定などもメニューを介して行います。 トリガ極性 (立ち上がり / 立ち下り) の切り替えがメニュー 2 ページ目にあるので、少し使いづらいです。
 「フォース・ボタン」(Force Button) は強制的にトリガを発生させるボタンです。
 コントロール領域の右下すみにある青い「コピーボタン」(Copy Button) はユーティリティー・メニューの中の「セーブ」(Save) メニューのショートカットです。 USB メモリへの画面ハードコピー、内蔵メモリへの波形書き込みなど、あらかじめ設定しておいた動作を、メニュー階層をたどることなく一発で実行します。
 メニュー階層を辿って画面ハードコピーを行うと、オーバーラップ・メニューが表示されたままの画面がセーブされてしまうので、画面ハードコピーはコピー・ボタンで行うのが必須です。