SX-150 の VCO の温度補償 (5) -- 特性測定(3)

ベース結合アンチログ回路の特性の測定結果から CV 電圧と Q2 のコレクタ電流 (の対数) との間の回帰直線を求めました。
このうち、I_{\rm c2} の小さい部分は測定誤差が大きく、また、I_{\rm c2} の大きい部分は Q902 のベース電流による誤差が大きいと考えられるので、電流の最小値から 3 個と、最大値から 5 個の測定値は回帰直線の計算から省きました。
結果のグラフを下に示します。
赤色のマーカーが測定値で、青色の直線が計算により求めた回帰直線です。

電流の小さい部分と大きい部分で回帰直線からズレているのは分かりますが、その他の値での誤差は良く分かりません。
回帰直線を理想変換特性として、I_{\rm c2} の偏差を音程のセント単位で表示してみたのが下のグラフです。

測定回路が電流値の低いところで不安定になる傾向があったので、CV 電圧の低い、つまり電流値の低いところで誤差が大きくなっているものと思われます。
CV 電圧が 1 〜 2.3 V の部分は偏差が 10 セント程度の変動をしていますが、これはアンチログ回路の特性自体がこのような変動をしているわけではなく、測定誤差によるものと思われます。
CV 電圧が 2.3 〜 3 V の部分は、明らかに電流値が減っており、Q902 のベース電流の影響と思われます。
PNP トランジスタ 2 個と抵抗 1 本を使ったベース電流補正回路も考えており、Spice シミュレーションではうまく動いています。
実際に回路を組んで測定もしてみたいと思っています。