2009-01-01から1年間の記事一覧

Pakurino (1)

急に思い立って、FM音源プログラム用の自作 ATmega168 ボードを改造して、Arduino 互換ボードとして動作させることにしました。 改造版ボードの名前は、例によって Pakurino (パクリーノ) としました。 Arduino とは、(a u i o) という母音の並びだけは一…

XR2206 (15)

5 月 24 日および 5 月 31 日付けの記事の中で、OP アンプに TLC272 を使った回路に対して述べた、 変動が少なくなった 積分器出力が OP アンプの飽和電圧まで到達せず、途中の電圧値で止まる 現象は、TLC272 の裸のゲインが (このような応用に対しては) 小…

XR2206 (14)

相変わらず直線性の測定ですが、今度は別の方法を試してみることにしました。 とは言っても、下の回路図のように、何の変哲もない R-2R ラダー回路です。

XR2206 (13)

相変わらず、VCO の直線性の測定をやっています。 NJM4151 用の回路に3か所ほど変更を加えました。 回路図を下に示します。

XR2206 (12)

直線性の測定方法の妥当性を確かめるために、原理的に直線性の優れているリワインド方式の VCO をリファレンスとして測定して誤差の出方を見てみました。 測定回路を下に示します。

XR2206 (11)

前回 5/12 付けの記事での測定結果のグラフは、オフセット調整上の問題から、おそらく低電流域が正しくないと思われます。 オフセット調整法を変えて測定し直した結果を、前の結果と合わせてプロットしたグラフを下に示します。

XR2206 (10)

久しぶりの更新になってしまいましたが、XR2206 の VCO の直線性を測ってみました。 セント単位で誤差を表示したグラフを下に示します。 測定回路は後で示します。 思ったよりも直線性は良くありませんでした。 (5/15 追記: この結果の低電流域側は正しくあ…

XR2206 (9)

XR2206 で、のこぎり波を発生させる場合の波形写真を示します。 まず、VR3 を Vcc/2 側いっぱいに回して、3 番ピンのバイアスが一定の場合のランプ波形を下に示します。

XR2206 (8)

実験の本筋である、リニアリティの測定や、もっと精度の高い歪率測定などには、まだ手を付けていないので、今回は「小ネタ」をいくつか取り上げます。

XR2206 (7)

私も、やっと XR2206 を手に入れました。 さっそく、サイン波形の歪率の測定と、各部の波形/電圧の測定をしてみました。 と言っても、(ハードウェアの) 歪率計を持っているわけではないので、「efu」さん作成の PC のオーディオ入力を利用してスペアナを実現…

XR2206 (6)

最近では、実際に XR2206 を手に入れて、観測した波形写真などを載せた Blog などが増えてきました。 そのひとつである、「edy」さんの Blog 迷走の果て・Tiny Objects の 4/18 のエントリに AM 変調した波形と、1 kHz、1 MHz での三角波の波形写真が掲載さ…

XR2206 (5)

文献 *1 に従って、5 個の差動対からなる「Gilbert sine shaper」の LTSpice シミュレーションをやってみました。 *1:dos Reis Filho, C.A. Pessatti, M.P. Cajueiro, J.P.C.: "Analog Triangular-to-Sine Converter Using Lateral-pnp Transistors in CMOS …

XR2206 (4)

いろいろ考えた末、三角波から正弦波へ変換する回路として 調整後の歪率が 0.5% 程度 正弦波の振幅が三角波よりも小さくなる という特徴を持つ方式にたどり着くことができました。 はたして、これが実際に XR2206 で使われているかどうかは分かりませんが、…

XR2206 (3)

XR2206 の波形整形部の誤りを訂正して書き直した回路図をこちら (→) に示します。 VCO 部から矩形波を作り出している部分は、特に面白味もなく、誤りもないので省略します。 正弦波の整形部分は、 500 Ω 程度の抵抗を接続すると正弦波になり、オープンにする…

XR2206 (2)

前回の回路図では、部品に番号を付けていませんでしたが、番号なしでは今後の説明が面倒になるので、XR2209 の説明の時に適当に付けた番号と同じ働きのトランジスタには同じ番号を振って、回路図を書き直しました。 LTSpice による回路シミュレーションも行…

XR2206 (1)

秋月で取り扱いが始まった、話題の「XR2206」ですが、私はまだ入手していないので、回路的な検討だけでも始めようと思います。 データシートには内部の等価回路が掲載されていますが、残念なことに、いくつかの誤りが見られます。 気が付いた誤りを訂正し、…

PX-150 (17)

秋月で扱っている 10 個入り 100 円のショットキ・バリア・ダイオード「HN2S01FU」を入手したので、リニア VCO の Franco の補償に使ってみました。 今回は、MC14577 を使用して波形写真を撮るだけで、特性の測定はしていません。 いつものように、まず、電…

LPC2388 マイコン基板 (4) -- TGLPC 暫定版リリース

CQ 出版発行の「インターフェース」誌 2009 年 5 月号付属の「CQ-FRK-NXP-ARM」基板用の FM 音源プログラム「TGLPC」暫定第 1 版をリリースしました。 (→こちら)

LPC2388 マイコン基板 (3)

今回は、LPC2388 の I2S モジュールの出力を標準フォーマットの DAC に接続するための回路を考えます。 まず、I2S フォーマットと標準フォーマットの信号のタイミング・チャートを示します。

LPC2388 マイコン基板 (2)

LPC2388 は 10 ビット DAC を内蔵しているので、DAC を利用して出力する限りは、PWM を使用する場合と違ってポストフィルタを省いて、出力ピンから直接にオーディオ信号を取り出すことができます。 それ以上のことをやろうとすると、どうしても外部回路が必…

LPC2388 マイコン基板 (1)

CQ 出版発行の「インターフェース」誌 2009 年 5 月号付属の NXP LPC2388 マイコン基板 (CQ-FRK-NXP-ARM) に暫定版の FM 音源プログラムを移植し、「TGLPC」と名付けました。 インターフェース誌は定期購読しているので、5 月号は 21 日に届きましたが、あま…

3V単一電源動作の VCF (9) - Minimoog 回路のシミュレーション (5)

今回は、トランジスタ・ラダー構成で、1次の (電圧可変) オールパス・フィルタ (APF) を実現します。 4次 LPF 特性を実現できるトランジスタ・ラダー回路を使いながら、まともに実現できるのは1次 APF 特性に過ぎないので、ここまで来ると、かなり無理や…

3V単一電源動作の VCF (8) - ブレッドボード(4)

ブレッドボードでトランジスタ・ラダー構成上に Bach トポロジーの2次 LPF/BPF を実現する実験を行いました。 回路図を下に示します。

3V単一電源動作の VCF (7) - Minimoog 回路のシミュレーション (4)

今回は、トランジスタ・ラダー回路の「構成」だけを利用して、Q 可変の LPF に仕立てる原理としては Sallen-Key 型の方法を採用した回路について説明します。 いま、「Sallen-Key」といいましたが、各1次 RC フィルタの間にバッファが入る構成については、…

3V単一電源動作の VCF (6) - ブレッドボード(3)

BPF13 についてブレッドボードで実験してみた結果を示します。(回路図はこちら→) 回路図には、BPF13、BPF11、HPF10 の各入力を示してありますが、実験してみたのは BPF13 だけです。 BPF12 に対応するラダー段は回路の簡略化のため、カレントミラーの入力側…

3V単一電源動作の VCF (5) - Minimoog 回路のシミュレーション (3)

2 次の伝達関数を実現する、バイクワッド (双二次: biquad) 回路あるいはステートバリアブル (状態変数: state variable) 回路では、ひとつの回路から LPF/BPF/HPF などの複数のフィルタ出力を同時に取り出すことができます。 Moog タイプのトランジスタ・ラ…

3V単一電源動作の VCF (4) - ブレッドボード(2)

ブレッドボードの写真を下に示します。 画面上部が NJM317 による 3V 電源、画面下部左側の 16 ピン DIP IC が NPN トランジスタアレイ TD62507P、画面下部中央少し右よりに変換基板に実装した 2SA1618 を2個並べてあります。 少し見えにくいのですが、右側…

3V単一電源動作の VCF (3) - ブレッドボード(1)

ブレッドボード上に実験回路を組んでみて、一応の動作を確認しました。 実験している回路図はこちら (→) です。 ブレッドボード上の面積の節約のため、差動増幅部には、低電圧オーディオ・パワーアンプ IC である LM386 を使用しました。 ノイズの問題などか…

3V単一電源動作の VCF (2) - Minimoog 回路のシミュレーション (2)

VCF のレゾナンス (Moog 用語ではエンファシス) を下げた状態、つまり、負帰還量を下げた状態でのシミュレーション結果のグラフを下に示します。

3V単一電源動作の VCF (2) - Minimoog 回路のシミュレーション (1)

これまで、トランジスタ・ラダー型フィルタの回路シミュレーションをきちんとやったことがなかったので、まずは、原型となる Minimoog のオリジナル回路の LTSpice シミュレーションを行いました。 結果の周波数特性 (AC 解析) のグラフを下に示します。