3V単一電源動作の VCF (6) - ブレッドボード(3)

BPF13 についてブレッドボードで実験してみた結果を示します。
(回路図はこちら→)
回路図には、BPF13、BPF11、HPF10 の各入力を示してありますが、実験してみたのは BPF13 だけです。
BPF12 に対応するラダー段は回路の簡略化のため、カレントミラーの入力側のダイオード接続した PNP トランジスタに直接コンデンサを接続してあります。
したがって、この段ではベース側に信号を入れるわけにはいかず、BPF12 の特性は実現できません。
もし BPF12 特性が必要なら、カレントミラーで折り返した後に PNP トランジスタ・ラダー段を追加し、カレントミラーとフィルタの機能を分離します。
ベースに信号を入れるトランジスタ・ラダー段には、ベースバイアスを作り出している抵抗分圧回路にバイパス用のコンデンサを追加することが必要です。
通常の、下の段からの差動電流を受けて機能するだけのトランジスタ・ラダー段では、ふたつのベース電流の合計は一定しているので、ベースバイアス回路に特に影響を与えません。
ベースに外部からシングルエンドの信号を入力するとベースバイアスも振られることになり、他の段にも影響するので、バイアス回路にコンデンサを追加して、音声帯域でのインピーダンスを下げるようにします。
RMAA 6.0.6 を使用して求めた周波数特性を下に示します。

(縮小前の画像はこちら→)
白色の線がレゾナンスの設定が大きい場合で、緑色の線がレゾナンスの設定が小さい場合です。
ピーク位置から左側の減衰スロープは緩やか (6 dB/oct) で、右側のスロープは急 (18 dB/oct) なことがグラフから読み取れます。