XR2206 (2)

前回の回路図では、部品に番号を付けていませんでしたが、番号なしでは今後の説明が面倒になるので、XR2209 の説明の時に適当に付けた番号と同じ働きのトランジスタには同じ番号を振って、回路図を書き直しました。
LTSpice による回路シミュレーションも行い、新たに得られた知見も加えた回路図を下に示します。

LTSpice シミュレーション用に作成した回路図はこちら (→) です。
回路シミュレーションでは、ほぼ予想通りの動作をしていることを確認できましたが、回路図上部のカレントミラー部は事前の予想とは違った動作をしていました。
D2、D3 のダイオードは、スピードアップのためトランジェントの部分でだけ動作するのかと思っていましたが、実際はもっと本質的な役割を持っており、I/2 の電流が半周期ごとに交互に D2、D3 に流れることが分かりました。 
回路図では、電流の記号などを書き込むとゴチャゴチャするので、D2、D3 はカレントミラー部から離れた位置に書きました。 もちろん電気的にはカレントミラー部とつながっています。
ダイオード接続されているトランジスタ D1 のエミッタ面積は Q1、Q4 の2倍であるべきことが分かりました。 
Q1、Q4 には I/2、D1 には I の電流が常に流れ続けています。 もちろん、トランジェントの部分ではスパイク状の変化はします。
これ以上の詳しい説明は次回以降に回し、最後に LTSpice シミュレーションの結果の波形を示しておきます。