2009-01-01から1年間の記事一覧
US Patent 4,823,093 "DYNAMICALLY BIASED VOLTAGE CONTROLLED ELEMENT" の Fig.6 の一部を抜粋し、少々の変更を加えた図を下に示します。 これは NPN トランジスタ 7 個からなるベース電流補償回路です。
SSM2164 の回路構成に何か名前が付いていないかを調べていたら、同様の構成を持つ SSM2014 / SSM2018 / SSM2118 のデータシートに「Frey Operational Voltage Contorolled Element」(略称は「OVCE」、「Frey」は人名) という記述を見つけました。 「OVCE」と…
ゲインセルのテイル電流や、Vc 端子に接続されていないほうのトランジスタのベース電流は、チップ内部の量なので、当然、外部から直接測定することはできません。 テイル電流は前回の測定で求めた関係を使えば、30 μA のオフセットはあるものの、MODE 電流値…
温度補償回路の実験の前に、SSM2164 のコンパチ品である coolaudio V2164 チップ自体の特性を測定してみることにしました。 差動ペアのベース入力抵抗が気になるので、外部からベース電流を測ってみましたが、意外な結果となりました。 それは後回しにして、…
SSM2164 のゲインセルの差動ペアのベースには、VCA としてのコントロール電圧入力端子 Vc に外部から加えられる電圧を内部の抵抗で 1/10 に分圧したものが与えられています。 前回の「差動ペアのベースに接続されている抵抗」とは、この分圧回路の 4.5 kΩ と…
SSM2164 は現行品であり、Digi-Key でも単価 620 円で1個から買えますが、7,500 円未満の注文では割高な送料がかかります。 そこで、別の国内の通販からコンパチ品の coolaudio 製 V2164D (単価 350円) を買うことにしました。 別に急ぐわけではないので、…
今回は、差動増幅回路による温度補償回路の誤差の量 (の理論値) を評価したいと思います。 一般の数値計算では、指数関数、対数関数、三角関数などの値を求めるのに、その関数を (無限) べき級数で展開した式を有限項で打ち切った近似式を用いて計算するのが…
今回は、差動増幅器を使って、ゲインが絶対温度に比例するアンプを (近似的に) 実現できる原理の説明をします。 まず、以前の記事でも示した、エミッタ結合型の普通のアンチログ回路を示します。
houshu さんの SSM2164 を使った温度補償回路の LTspice シミュレーションの追試のようすを書きます。 (→こちら)が回路図入力です。 トランジスタなどの番号は、システムが勝手に振っていった番号そのままで、houshu さんの回路図の番号とは合わせてありませ…
ゲインが絶対温度に比例する温度補償回路と、ベース結合アンチログ回路とを、同一の NPN トランジスタ・アレイ・チップ上の NPN トランジスタで構成した回路案を下に示します。 入力側はオーソドックスに OP アンプを使って CV 入力の加算をし、温度補償回路…
houshu さんがブログ 「アナログ電子楽器の回路を読む」 の 2009/08/26 付けの記事 「Exponential Converter Using SSM2164 Pt.1」 (→こちら) で VCA チップの SSM2164 を使った CV の温度補償 (絶対温度 T に比例したゲインを持たせる) と、同じ VCA 利用の…
この話題は前回の記事で完結のはずでしたが、予期せぬトラブルがあり、続編を書くはめになりました。 それは、 ブートローダ書き込み直後の、ユーザープログラム領域が消去されて 0xFFFF で埋まっている状態 (初回) ではスケッチ書き込みに成功するが、2回…
千石から ATmega328P を、秋月から ATmega168P を買ってきて、Pakurino (Arduino) の 328P 化を行いました。 AVR 用の書き込み器としては、オプティマイズ製の「MINI EZ-USB」ボードに書き込みソフト「avrezusb」を組み合わせて使っています。 「avrezusb」…
高精度だけれども高価な測定器には手が出ないので、これまでは安価なディジタル・テスターなどを使用して測定してきましたが、今回、思い切って、これまでより1桁精度の良い測定器を導入することにしました。 とは言っても、やはり高価なものは買えないので…
シュトレーレ近似の値を PWM によるアナログ電圧値として出力する Arduino 用のスケッチを示します。 シュトレーレ近似の最大誤差は ±0.2 % 程度で 8 ビット相当ですから、ATmega168 内蔵の 10 ビット ADC で傾向がとらえられるのではないかと考え、PWM 出力…
シュトレーレ・アッテネータの応用としては、文字通り連続可変アッテネータとしての利用があげられます。 単独では可変範囲 6 dB と狭いので、20 dB や 10 dB などの固定ステップ・アッテネータ段と組み合わせて、6 dB 分だけは連続に可変できる形にすると良…
OP アンプと可変抵抗を使用した反転増幅回路で、回路定数の決定に「シュトレーレ近似」を使い、6 dB の範囲内でゲインを連続可変可能な回路を、ここでは「シュトレーレ・アッテネータ」と呼ぶことにします。 反転増幅回路ですから、「アッテネータ」といって…
まず、タイトルの「シュトレーレ回路」というのは、そういう名前の回路があるわけではなく、回路自体は特に珍しくもない一般的な回路で、その回路定数の決定に以前の記事で触れた「シュトレーレ近似」を使うものと定義します。 以前の記事 (→こちら) の内容…
これまで ΣDM PWM のリニアリティの測定をしていなかったので、整数部 1 LSB の間の小数部 32 レベルについて実測してみました。 結果のグラフを下に示します。 赤の線が 2 次で、青の線が 1 次です。
これまでのところで ΣDM PWM 出力の様子は概要が分かったので、今度は実際に VCO につないでみることにします。 と言っても、アナログ・シンセの VCO モジュールとして機能する回路は手許にないので、PX-150 のテスト用基板に作成した LM331/NJM4151 使用の…
2 次 ΣDM では 1 次 ΣDM に比べて内部状態の数が増えるため、出力系列の周期が大きくなることが予想されます。 といっても、MASH 方式では 1 段目の ΣDM の動作自体は 2 段目の ΣDM の影響を受けないので、全体としての周期は 1 段目の周期の 2、4、8、16、3…
前回の補足として、外部入力が一定値を取る場合の小数部 f の値と、1次 ΣDM 出力波形に含まれる周期変動の基本波の周波数の表を示します。 まず、f が 2 のべき (および 32 からそれを引いたもの) である場合の表を下に示します。 この場合は、基本波と高調…
具体的な実験の手順としては、 Pakurino (Arduino) 用に ΣDM への入力として DC (直流) 出力だけでなく、各種の波形を重畳して出力できるスケッチを作成 その出力の時間波形とスペクトルを、「efu」氏作のフリーソフトウェア「WaveSpectra」で観測 という方…
普通の PWM では、いったんパルス・デューティー値を設定してしまえば、再びその値を変更するタイミングまでは何もする必要がありません。 それに対し、ここでは、PWM デューティーを細かく変化させて分解能を向上させるため、 PWM 周期ごとに処理をする必要…
「FMmelody」のプログラムの説明を書くのをサボって、主に「MIDI2CV」用途を目的とした、シグマデルタ変調 (以下「ΣΔM」、「ΣDM」あるいは「SDM」と略記) により PWM 出力の分解能を上げる実験をしています。 PC 上でプログラムによるシミュレーションを行う…
「FMmelody」で、DAC に μPD6376 (NEC) を使った場合にも正常に動作することを確認しました。 確認方法はハンダごても使わず、非常に横着な方法を取りました。
少し間があいてしまいましたが、スケッチ「FMmelody」のプログラムの説明に入りたいと思います。 まずは、ファイル構成と、各ファイルの簡単な説明からです。
6/29 日付けの記事のコメントにあるように、ATmega168P や ATmega328 などの「新しい」チップでエラーが出てコンパイルがうまくいかないという問題に対応して、修正を施したものを 2009/07/01 版として Web 上のファイルを置き換えました。 修正したのは「No…
9 ビット Fast PWM モードを使った 2009/6/26 版の FMmelody スケッチでは、出力波形のひずみが大きくなるという問題があったので、8 ビット Phase Correct PWM モードに変更し、 2009/6/29 版としてリリースしました。 6/26 日付けの記事と、Web 上のスケッ…
Arduino IDE 付属のサンプル・スケッチ「Melody」を FM 音源版にしたスケッチ「FMmelody」を (→こちら) におきました。 解凍してできた「FMmelody」フォルダ (とそれに含まれるファイル) をご使用中の「スケッチ・ブック」のフォルダにコピーしてご利用くだ…