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高精度だけれども高価な測定器には手が出ないので、これまでは安価なディジタル・テスターなどを使用して測定してきましたが、今回、思い切って、これまでより1桁精度の良い測定器を導入することにしました。
とは言っても、やはり高価なものは買えないので、安価で高精度のものはないか探していて見つけました。
それは、4・1/2 桁 (19999 フルスケール) のディジタル・パネルメータです。
具体的には、秋月で販売している「PM328E」(通販コード M-01056) で価格は 1600 円です。
「E」の付かない型番の「PM328」という製品もあって、こちらは 1800 円です。
秋月のサイトの説明では「E」が付くのと付かないのとでは、分圧器の内蔵の有無以外に、どこが違うのか良く分かりません。
「PM328E」の商品説明ページには基板の写真が掲載されており、MAXIM 製の ICL7129 を使用しているのが分かります。
そんなわけで、安いほうの PM328E を購入しました。
決して高価ではありませんが、それでも安物のディジタル・テスタなら 2 〜 3 個買える値段です。
PM328E は分圧器/分流器内蔵ですが、基本的にはディジタル・パネルメータは単機能で、ディジタル・テスタのように多種類の測定ができるようにはなっていません。
しかし、実際の測定回路では電圧か電流が測れれば十分なことが多く、特に問題にはなりません。
電源は 9V の 006P 電池を使用し、小さなアルミケースに入れて使っています。


アルミケースは以前、他の用途に使っていたもので、すでにあいていた穴を利用して電源スイッチや BNC コネクタを実装しています。
パネルメータ自体は、アルミケースの底面に角穴をあけて取り付けました。
入力の BNC コネクタにはオシロ用のプローブを付けています。
パネルメータの分圧器でのレンジ切り替えは行わず、入力インピーダンス 1 MΩ の 199.99 mV レンジ 1 本にしています。
これでも、オシロ用のプローブの 1/1、1/10 切り替えで、絶対精度は得られませんが 199.99 mV と 1.9999 V のふたつのレンジを実現できます。
入力をオープンにしておくと、-0.06 mV 程度の表示になります。

もちろん、入力をショートすると表示はゼロを示します。
すでに、このパネルメータによる測定を行っていて、それは、8 月 8 日付けの「シグマデルタ変調 PWM (7)」の記事のグラフ、8 月 16 日付けの「シュトレーレ回路 (4) -- シュトレーレ PWM (2)」の最後のグラフです。
シュトレーレ PWM の測定については、従来の 3999 フルスケールのディジタル・テスタと、新しい 19999 フルスケールのディジタル・パネルメータの両方で行っていますので、その結果のグラフを下に示します。
青い線が 3999 フルスケール、赤い線が 19999 フルスケールです。