3V単一電源動作の VCF (4) - ブレッドボード(2)

ブレッドボードの写真を下に示します。
画面上部が NJM317 による 3V 電源、画面下部左側の 16 ピン DIP IC が NPN トランジスタアレイ TD62507P、画面下部中央少し右よりに変換基板に実装した 2SA1618 を2個並べてあります。
少し見えにくいのですが、右側の 8 ピン DIP が LM386 です。

レゾナンスを上げた VCF に約 1 kHz の矩形波を入力した場合の出力波形 (LM386 の 5 番ピン) を下に示します。

上の写真と同じ条件で、レゾナンスだけを下げたものを次に示します。

下の写真は、カットオフ周波数を上げ、レゾナンスを下げ、ほとんど「素通し」状態の VCF に三角波を入力し、出力波形を目で見て、歪みを感じない程度の振幅に調整した場合です。

出力がクリップする程度まで、入力の振幅を上げたものが下の写真です。

この歪みは差動増幅部の LM386 によるもので、トランジスタ・ラダー部では歪んでいません。
RMAA (RightMark Audio Analyzer) 6.0.6 を使用して、VCF の周波数特性を求めたのが下のグラフです。

(縮小前の画像はこちら→)
白色のプロットがレゾナンスを上げた状態、緑色のプロットがレゾナンスを下げた状態です。
減衰域で十分にゲインが下がっていないのは、ノイズの影響だと思われます。
差動増幅部の入力の HPF の影響も分かります。
レゾナンスを上げるとフィルタ通過域の平坦部のゲインが下がって、カットオフ周波数付近にピークが出る、4次フィルタに負帰還をかけて特性を作りだす Moog タイプの VCF の特徴が良くわかります。
このグラフから、減衰域のスロープを求めると、4次フィルタで期待される 24 dB/oct には足りない感じがします。
3次フィルタの 18 dB/oct よりは大きい感じですから、おそらく、RMAA の測定上の問題だと思います。
試しに、トランジスタ・ラダーの各段のコンデンサを1個ずつ抜いて特性の変化を見ると、確かに変化が現れますから、4段の内、どこかの段が機能していないことはないと思います。