3V単一電源動作の VCF (8) - ブレッドボード(4)

ブレッドボードでトランジスタ・ラダー構成上に Bach トポロジーの2次 LPF/BPF を実現する実験を行いました。
回路図を下に示します。

必要なラダーは2段なので、3 V 電源でもカレントミラーで折り返す必要はなく、回路を簡略化できます。
Q8, Q9 はダイオード接続なので、PNP トランジスタである必要はなく、NPN トランジスタでも同様に使えます。
NPN トランジスタ・アレイ TD62507 をもうひとつ追加して、Q6, Q7, Q8, Q9 として使用することができます。
実際のブレッドボード上では、もとの回路を大幅に変更することはせず、カレント・ミラーの折り返しはそのまま活かして、C3, C4 を抜いて、Q12, Q13, Q14, Q15 を素通し状態で実験しています。
前と同様に、初段のトランジスタ・ラダーのベースに信号を入力すれば BPF11 特性が得られます。 ただし、ラダー初段には正帰還が掛けられているので、空いている反転入力側 (Q7) に信号を入力しています。
結果として、出力も反転しますから、これが問題となる場合には、Q6 のベース側に信号入力してください。
LPF02 入力から信号を入れたローパス特性を RMAA 6.0.6 で求めた結果を下に示します。

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BPF11 入力から信号を入れたバンドパス特性を RMAA 6.0.6 で求めた結果を下に示します。

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正帰還型フィルタでは、レゾナンスを上げると通過域のゲインは変わらずに、ピーク付近のゲインだけが変化する形となります。 そのため、発振開始および発振レベルの調整の操作は、かなりクリチカルになります。
実験回路では、差動増幅部にソフトクリップ機能がないせいもあり、カットオフ周波数の設定により発振レベルが大きく変わり、ちょっと使いづらい感じです。
もとの Moog 型4次フィルタとは、トランジスタ・ラダーからの差動信号の取り出しポイントの違いと、フィードバックを入れるポイントの違いだけなので、VCF 回路基板の設計時に考慮しておけば、回路の組み立て時に Moog 特性か、2次特性かを選択したり、使用時にスイッチ切り換えで特性を選べるようにできます。