2010-01-01から1年間の記事一覧

3.3 V ノイズジェネレータ (6)

前回述べたように、理想特性でもある、折れ線近似での遷移域 (-3 dB/oct スロープの直線部分) の下端の周波数と上端の周波数との比は「9」になります。 したがって、中心周波数の比を 9 に取った2つのラグ・リード・フィルタをバッファを介して従続接続すれ…

3.3 V ノイズジェネレータ (5)

今回は、前回の結果に対する補足です。 まず、ラグ・リード・フィルタでは、振幅は (広義) 単調減少なので、微係数は常にゼロかマイナスであり、正になることはありません。 しかし、前回求めた の式は、 であり、見かけ上は、式にマイナス符号が含まれてい…

3.3 V ノイズジェネレータ (4)

今回は、左の図のようなラグ・リード・フィルタで、中心周波数付近でゲインのスロープが -3 dB/oct (-10 dB/dec) になる条件を求めてみます。 まず、時定数を とすると、この回路の伝達関数は、 と表されます。

3.3 V ノイズジェネレータ (3)

今回からは、ホワイトノイズをピンクノイズに変換するための -3 dB/oct (-10 dB/dec) の周波数特性を持つフィルタについて扱います。 まずは、実例として、minimoog および moog のモジュラーシンセのピンクノイズフィルタ回路を取り上げます。 LTspice によ…

3.3 V ノイズジェネレータ (2)

ノイズ出力をピンクノイズ化して音を聞き比べたところ、生成多項式 1、2 と、3 との間には明らかな違いが認められました。 それぞれの wave ファイルを mp3 化したものをこちらに置きました。 これは、リアルタイムにノイズ出力にアナログフィルタをかけたの…

3.3 V ノイズジェネレータ (1)

ノイズジェネレータの「定番」といえば、小信号用トランジスタのベース・エミッタ間に逆バイアスをかけ、ブレークダウンさせて「ツェナダイオード」として使い、発生するノイズを増幅する方式が一般的です。 しかし、小信号用トランジスタの VEBO はスペック…

アナログシンセの VCO ブロック (43) -- 温度補償回路(9)

温度補償回路の温度特性を測定してみて、効果があることが確認できました。 予備実験として、トランジスタ・アレイ内のトランジスタを「ヒーター」として利用して温度設定する方法も試してみたのですが、差動ペアのトランジスタ間に無視できない温度勾配が生…

アナログシンセの VCO ブロック (42) -- 温度補償回路(8)

実験回路を組み上げて、回路動作することは確認しました。 温度特性についての確認はこれからです。 回路図を下に示します。

アナログシンセの VCO ブロック (41) -- 温度補償回路(7)

3.3 V 動作の VCO 回路の次の段階として、通常は温度係数 +3300 ppm/℃ の抵抗 (TEMPCO) を使うオクターブ・スパンの温度補償を、TEMPCO を使わずにトランジスタ・アレイ内の差動ペアを利用して行う回路を考えています。 まだ回路は組んでいませんが、LTspice…

ノートンアンプによる OVCE タイプの VCA (3)

減衰音のエンベロープに相当する、下降のこぎり波の形状のエンベロープ CV を作成して入力してみたところ、やはり出力の DC レベルの変動が「CV 漏れ」となって現れました。 音を聞くと、入力信号がある場合には気になりませんが、入力が無音だと、「プチッ…

PIC18F14K50 (17)

PIC の内部モジュールを使った VCO の 3.3V 電源化を進めました。 当初は、リセット回路に 74HC シリーズの CMOS アナログ・スイッチを試してみたのですが、高性能で高価なアナログ・スイッチとは違って、3.3 V 電源では ON 抵抗は十分低くならず、結局は PN…

ノートンアンプによる OVCE タイプの VCA (2)

前回の回路の回路定数を見直して、3.3 V 単電源に対応する回路としました。 ノートンアンプ LM3900 の使用推奨電圧範囲は 4 〜 32 V ですが、内部回路 (アプリケーション・ノート AN-72) を見る限りでは、「縦積み」になっているのは Vbe 4 個分が最大なので…

ノートンアンプによる OVCE タイプの VCA (1)

SSM2164 (V2164) や SSM2018 などの OVCE (Frey Operational Voltage Controlled Element) タイプの VCA 回路をディスクリート部品で組むと大がかりになります。 そこで、ノートン (Norton) アンプ (LM3900) を利用して回路を簡略化し、5 V 単電源で使える回…

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (8)

外部回路により SSIWS / SYNC を発生させる方式は、予定していた回路では問題があり、回路の追加が必要になったので、いったん保留して、仕切り直したいと思います。 実験中の回路を下に示します。

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (7)

外部回路により SSIWS / SYNC を発生する方式についても実験してみます。 ATmega48/88/168/328 や ATtiny2313 は手持ちがあるのですが、さすがに 28 ピンや 20 ピンの IC を実装して実験する気にはなれなかったので、8 ピンの ATtiny13 を買ってきて使うこと…

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (6)

今回の実験に使っている ALC650 はプライマリ・コーデック専用で、セカンダリ・コーデックとしては使えないので試すことはできませんが、セカンダリ・コーデックとして動作させると下の図のように SH-2A 側のリソースの消費が少なくなります。

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (5)

今回は、実験に使っている回路を説明します。 ポリシーとしては、SH-2A 内部のリソースを活用して、外部の「回路」は使わず、「配線」だけで実現することを目指しました。 その代わりに、代替不可能な貴重なリソースを「浪費」することにつながってしまいま…

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (4)

今回からは、実際の接続について、いくつかの方法を説明します。実験に使った回路については次回説明します。 まずは、外部回路を使うものの、SH-2A 側のリソースの消費が小さく、ソフトウェアの面でも負担の少ない「実用的」な接続方法を下に示します。

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (3)

前回は、実用性はともかく、原理的には SH-2A のシリアルサウンドインターフェース (SSIF) で AC97 コーデックの 1 フレーム分の全データ 256 ビットを取り扱えることを示しました。 実用的には、全データではなく、一部のデータを扱うことになります。 今回…

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (2)

AC97 コントローラと、AC97 コーデックとの間のディジタル・インターフェースは、「AC-link」と呼ばれる 5 本の信号を使いますが、リセット信号を除外すれば 4 本となり、また、SDATA_OUT/SDATA_IN は入出力を同時に行うためのものなので、片方向に限れば 3 …

SH-2A 基板に AC97 コーデックをつなぐ (1)

SH-2A のシリアルサウンドインターフェース (SSIF) を利用して、 AC97 コーデックをつなぐ実験をしています。 一応、コーデックから音を出すことには成功しました。 AC97 とは、正式には「Audio Codec '97」と呼ばれる PC 用のサウンドインターフェース規格…

SH-2A 基板 (16)

SH-2A 基板のベースボードに BU9480F と μPD6376 を実装して、 SPDIF 光出力 AK4321VF BU9480F μPD6376 の計 4 種類の DAC から音が出るようになりました。 これら4つから同時にオーディオ出力が得られるのは、オーディオ・クロックが 512 fs の場合に限り…

SH-2A 基板 (15)

ディジタル・オーディオ用 DAC の代表的な入力フォーマットとして、いわゆる「標準」フォーマットと、I2S フォーマットがありますが、両者の違いを表にすると下のようになります。 フォーマット 標準 I2S SSIF レジスタビット データ位置 右詰め 左詰め SSIF…

SH-2A 基板 (14)

おくればせながら、やっとインターフェース 2010 年 7 月号を買って来ました。 気になっていた SPDIF モジュールのオーバーサンプリングクロックの設定ですが、やはり 512 fs 以外の選択肢はないようです。 pp.102 のコラム 1 に、X4 に実装すべき水晶振動子…

SH-2A 基板 (13)

シリアル経由で PC とデータのやりとりができるようになったので、プログラムでサンプリングレートコンバータのインパルス応答を求めて PC に送り、周波数特性を求めてみました。 SH-2A/FPU コアですから、FPU は内蔵されており、マイコン側で FFT を計算す…

SH-2A 基板 (12)

今回も SH-2A 本体ではなく、ベースボード上の周辺回路の話題です。 シリアル MIDI 入力インターフェース回路として、定番のチャージポンプ付き RS232C トランシーバ IC (MAX232 互換品) を使っています。 コンデンサ 5 個を外付けするだけで手軽に使えて便…

SH-2A 基板 (11)

CQ-FRK-SH2A 基板専用のベースボードを作り始めました。 写真を下に示します。 16 文字 x 2 行のキャラクタ LCD や、タクトスイッチなどは実装しただけで、まだ配線はしていません。 実際の外付け回路として機能しているのは、3.3 V レギュレータ、(レガシー…

SH-2A 基板 (10)

CQ 出版「インターフェース」誌 2010 年 6 月号付属基板「CQ-FRK-SH2A」用の FM 音源プログラム「TGSH2A」の暫定第 1 版をリリースしました。 暫定版の TGSH2A プログラムは (→こちら) に置いてあります。

SH-2A 基板 (9)

グローバル変数の追加/削除によりデータ領域の配置が変化したプログラムをビルド/ダウンロード/実行した場合に挙動がおかしくなる現象が見られたので、オペランド・キャッシュをパージするタイミングを変更しました。 これまでは、「resetprg.c」ファイル中…

SH-2A 基板 (8)

SPDIF モジュールとシリアルサウンドインターフェース (SSIF) モジュールは同じオーディオ・クロックからタイミングを作り出すので、それぞれのサンプリング周波数が一致するように設定しておけば、周波数および位相の関係は一定値を保ち、誤差が蓄積してい…