2016-01-01から1年間の記事一覧

1/12 オクターブバンド・フィルタ (7)

(連続時間) アナログ・フィルタでの実現の第一歩として、 SPICE シミュレーション上での検討を行いました。 次の 3 つの回路方式を対象とします。 MFB (Multiple FeedBack) 2 次 BPF Sallen-Key 2 次 BPF DABP (Dual Amplifier BandPass) 2 次 BPF 状態変数…

1/12 オクターブバンド・フィルタ (6)

ブレッドボード上に実際の MF10 の回路を組んで特性の測定を行いました。 フィルタ設計の結果得られた半端な値の抵抗は、次のように複数の抵抗を組み合わせて近似しました。 23.129 kΩ → (22 kΩ_F + 1.1 kΩ_J) = 23.1 kΩ 380.82 kΩ → (470 kΩ_F // (1 MΩ_F +…

1/12 オクターブバンド・フィルタ (5)

ディジタル・フィルタによる実現の後は、サンプル値信号処理システムであるスイッチト・キャパシタ・フィルタで 1/12 オクターブ・バンド・フィルタを作ってみることにしました。 具体的なデバイスとしては、以前に VCF としての応用も試した MF10 (MAXIM 製…

1/12 オクターブバンド・フィルタ (4)

PSoC5LP の Filter コンポーネントを利用して生成される DFB プログラムでは、IIR バイクアッド・フィルタの計算に、前処理 6 サイクル、2 次セクション 1 段分の計算に 10 サイクル、後処理に 4 サイクル必要になります。 6 次 BPF の実現には 2 次セクショ…

1/12 オクターブバンド・フィルタ (3)

逆チェビシェフ・フィルタや楕円 (連立チェビシェフ) フィルタなどの「伝送零点」を持つフィルタは、バタワース・フィルタなどの (伝送零点を持たない) 全極型のフィルタに比べて遮断特性を鋭くできます。 しかし、アナログ・フィルタ回路では、一般に伝送零…

1/12 オクターブバンド・フィルタ (2)

1/12 オクターブバンド・フィルタをディジタル・フィルタとして実装した例として、すべて PC 上のソフトウェアで記述した場合と、PSoC5LP の DFB (Digital Filter Block) を用いて「ハードウェア」として実現した場合との、ふたつについて述べます。 まず、P…

1/12 オクターブバンド・フィルタ (1)

「オクターブバンド・フィルタ」とは、バンドパス・フィルタの通過域上端の周波数 (f2) と、通過域下端の周波数 (f1) との比がちょうど 1 オクターブの f1 : f2 = 1 : 2 となっているフィルタのことを言います。 同様にして、1 オクターブの帯域幅を N 個に…

OTA/VCA/PGA を使用した 2 次特性 VCF (12)

実際に NJW1159 を使った状態変数型フィルタを作成し発振させて、その周波数を測ってみました。 回路規模が大きくなるので、Arduino 用の小さなブレッド・ボード・シールドではなく、大きいブレッド・ボード上に回路を組み、コントロール用のマイコンとして…

OTA/VCA/PGA を使用した 2 次特性 VCF (11)

JRC 製の普及型電子ボリューム NJW1159 の特性を測定してみました。 公称 1 dB ステップで減衰量を 0 〜 95 dB まで可変できる抵抗ラダーが 2 系統あって、バッファ・アンプも内蔵しています。 この公称 1 dB ステップが 20 × log10(2 ^ (1/6)) = (20/6) × l…

OTA/VCA/PGA を使用した 2 次特性 VCF (10)

PSoC5LP 内蔵 OP アンプ/TIA (Trans-Impedance Amplifier) を使った状態変数型 2 次フィルタのトップ・レベルの回路図を下に示します。 (図をクリックすると拡大します) 外部回路も記述してあります。

OTA/VCA/PGA を使用した 2 次特性 VCF (9)

PSoC5LP 内蔵の OP アンプと、SC/CT (Switched Capacitor/Continuous Time) ブロックの PGA (Programmable Gain Amplifier) 機能を利用して、状態変数型の 2 次フィルタを構成する実験をしてみました。 ただし、PGA で可変できるゲインの最大と最小の比が約 …

DAC 用 ディジタル・フィルタの特性測定 (3)

パイオニア PD00601 の測定を行ないました。 PD00601 は 2 DAC 出力モードのみをサポートする 8 倍オーバーサンプリング・ディジタル・フィルタで、 阻止域減衰量 53 dB 通過域リプル -0.046 ±0.023 dB SOP (1.27 mm ピッチ) 16 ピン・パッケージ というスペ…

DAC 用 ディジタル・フィルタの特性測定 (2)

パイオニア PD00601 の前に、NPC 製 SM5807ES の測定を行なうことにしました。 SM5807 も古い AV 機器から外してきたものですが、それが何の機器だったかは覚えていません。 SM5807 は 4 倍オーバーサンプリング用ディジタル・フィルタで、fs = 44.1 kHz に…

DAC 用 ディジタル・フィルタの特性測定 (1)

単体の (単純な) DAC と組み合わせてオーバーサンプリング DAC を構成するための、単体のディジタル・フィルタ IC の特性を測定してみました。 対象は YAMAHA の YM3434 で、昔の AV 機器 (MUSE-NTSC コンバータ) から外してきたものです。 昔、秋月で YM343…

PSoC5LP Prototyping Kit (40) --- SPDIF 24 ビット・キャプチャと S/N 比の測定

私の手持ちの USB オーディオ・インターフェース (のひとつ) は、アナログ・ソースを 24 ビットで取り込めることをうたっていますが、マニュアルでは SPDIF 入力からも 24 ビットでチャプチャできるかどうかについては言及されていません。 中を開けて SPDIF…

PSoC5LP Prototyping Kit (39) --- デルタ・シグマ ADC と CIC 補償フィルタ (5)

オーバーサンプリング DAC を接続して測定して、sinc^4 補償フィルタで十分にフラットな周波数特性になることをダメ押しで確認しました。 この作業中に、PSoC5LP Prototyping Kit の外部接続ヘッダ J2 の 3 番ピン RST には、何も接続されていないことが判明…

PSoC5LP Prototyping Kit (38) --- デルタ・シグマ ADC と CIC 補償フィルタ (4)

デルタ・シグマ ADC に CIC 補償フィルタを接続した場合の周波数特性を測定しました。 まず、出力を SPDIF 経由でディジタル・データそのものとしてキャプチャした場合の結果を下に示します。

PSoC5LP Prototyping Kit (37) --- デルタ・シグマ ADC と CIC 補償フィルタ (3)

CIC 補償フィルタを使用する場合に追加する回路を下に示します。 DFB (Digital Filter Block) のデータ入出力は DMA を使って行なわれるので、DMA コンポーネントとの接続があるだけで、他の部分との回路的な接続はありません。 フィルタは「インターリーブ…

PSoC5LP Prototyping Kit (36) --- デルタ・シグマ ADC と CIC 補償フィルタ (2)

PSoC5LP 側を SPDIF 出力にして測定した結果を示します。 残念ながら私の手持ちの USB オーディオ・インターフェースでは、SPDIF 入力からのディジタル録音と、 DAC 経由のアナログ信号出力による再生とを 1 台で同時に両立できるものがありませんでした。 …

PSoC5LP Prototyping Kit (35) --- デルタ・シグマ ADC と CIC 補償フィルタ (1)

PSoC5LP では、OP アンプ / コンパレータ / DAC / 多用途に使えるスイッチト・キャパシタあるいは連続時間ブロックなどを含むアナログ・サブシステムを 4 系統内蔵しています。 さらには逐次比較式 ADC を 2 個、デルタ・シグマ方式 ADC を 1 個内蔵していま…

新版FM音源プログラム (10)

FM 音源の「オペレータ」のフェーズ・ジェネレータ部、EG 部を除く、波形生成部分の計算量を見積もる作業をしています。 以下のような、波形テーブルのサイズの違う 3 種類のプロトタイプのプログラムを作ってみました。 8 K (8 × 1024 = 8192) エントリのテ…