DAC 用 ディジタル・フィルタの特性測定 (2)

イオニア PD00601 の前に、NPC 製 SM5807ES の測定を行なうことにしました。
SM5807 も古い AV 機器から外してきたものですが、それが何の機器だったかは覚えていません。
SM5807 は 4 倍オーバーサンプリング用ディジタル・フィルタで、fs = 44.1 kHz に対して、

  • 通過域 (0 〜 20 kHz) リプル ±0.05 dB
  • 阻止域減衰量 45 dB (24.1 〜 40 kHz)
  • 阻止域減衰量 55 dB (40 kHz 以上)

という、「普及」クラスのスペックとなっています。
出力ディジタル・データのキャプチャと、その後のデータ処理については前回の記事と同様に行いました。
得られたインパルス応答を下に示します。

インパルス応答がゼロでない値を持つ範囲をタップ長と見なすと、タップ長は 123 になります。
全周波数帯域での周波数特性を下に示します。

正規化周波数 0.55 付近の阻止域端では源推量が 45 dB 程度、正規化周波数 2 付近での源推量の最小ピークが 50 dB 程度と、スペックの数値と良く会っています。
通過域内の周波数特性を下に示します。

ゲインがマイナス側にだけ振れていますが、正負に同量振れるものと考えると ±0.05 dB 以内にはおさまっています。
最後に、SM5807 のデータシートから周波数特性のグラフを引用します。

当然といえば当然ですが、測定結果と良く一致しています。