PSoC5LP Prototyping Kit (36) --- デルタ・シグマ ADC と CIC 補償フィルタ (2)

PSoC5LP 側を SPDIF 出力にして測定した結果を示します。
残念ながら私の手持ちの USB オーディオ・インターフェースでは、SPDIF 入力からのディジタル録音と、 DAC 経由のアナログ信号出力による再生とを 1 台で同時に両立できるものがありませんでした。
そのため、オーディオ・インターフェースを 2 台使用して、ひとつは SPDIF ディジタル録音用、ひとつはアナログ信号再生用として役割を分担して測定しました。
TSP (Time Stretched Pulse) 法による測定結果の WaveSpectra のグラフを下に示します。

SPDIF 経由でのデータのやり取りでは劣化はなく、オーディオ・インターフェースのルーブバック特性は測定していません。
SPDIF キャプチャによる測定結果と、sinc() 関数の 4 乗と 5 乗のグラフを示します。

赤色の線が SPDIF キャプチャによる測定結果です。
青色の線が sinc() 関数の 4 乗の特性で、緑色の線が sinc() 関数の 5 乗の特性です。
PSoC5LP 側からは DAC を介さず SPDIF でディジタル・データをそのままキャプチャしているので、当然、ノン・オーバーサンプリング DAC に起因する sinc() 関数特性は寄与せず、4 次 CIC (Cascaded Integrator-Comb) フィルタの sinc() 4 乗の特性のみになります。
正規化周波数 0.45 程度以上の部分の USB DAC の遷移域の特性による落ち込みを除いて、sinc() 4 乗特性と良く一致しています。