PIC18F14K50 (11)

リセット・パルス幅を決める時定数回路を別に持つ形式の、PIC18F14K50 の内蔵モジュールを利用した VCO で、「Franco の補償」のための抵抗値を変えながら特性を測定しました。
まずは、抵抗なしでの、裸の特性を下に示します。
例によって、連続4回の測定結果を重ねてプロットしてあります。

リセット時間に換算して 12 μs に対応する誤差を青い線でプロットしてあります。
2 月 5 日付けの記事の、前の構成の VCO による結果では、リセット時間にして 5 μs 程度の誤差の出方になっていて、今回の結果と一致していないように見えますが、これは、のこぎり波の振幅が異なり、発振周波数が違っていることに起因しています。
もともと、のこぎり波の下限を約 1 V、上限を約 4 V とする設定でタイミング・コンデンサの容量を決定したのですが、前の構成では上側のスレシホールドを 4 V にすると、コンパレータの伝達遅延のため、波形が電源電圧の 5 V まで到達してしまい、誤差となるので、途中で回路は変更せずに、上限の電圧を 2 V に変更したのです。
この上限の電圧は、固定基準電圧 FVR を利用しているので、1.024 / 2.048 / 4.096 V の3つの中からしか選べず、本当は 3 V 程度にしたいのですが、仕方なく 2.048 V にしてあります。
そのため、のこぎり波の振幅は 2 Vp-p 以下に小さくなり、当初の予定より発振周波数が高くなっています。 具体的には CV 電圧が 3.3 V で約 44 kHz になっています。
一方、今回の構成では、下限の電圧が約 1 V、上限が電源電圧の 5 V で、のこぎり波の振幅は約 4 Vp-p となり、発振周波数は CV = 3.3 V で約 23 kHz となっています。
計算で求めた Franco の補償の抵抗値は 545 Ω 程度となるので、挿入する抵抗値を順に、470 Ω、510 Ω、560 Ω と変えた場合の測定結果のグラフを下に示します。 



2 月 12 日付けの記事の、前回の構成での結果と同様な傾向となっています。