1/12 オクターブバンド・フィルタ (10)

ポリプロピレン・フィルム・コンデンサは 103 (10nF) をひとつしか持っていなかったので、他の容量についてもいくつか買ってきました。
インピーダンス・アナライザや LCR メータは持っていないので、簡易的な測定回路/ソフトウェアを作成して、各種コンデンサの誘電正接 (tan δ) を測ってみました。 結果の表を下に示します。

番号 材質 メーカ 型番 容量 tan δ 購入店
1 ポリスチレン 双信 QS06 103 -0.00075 秋月
2 ポリプロピレン ニッセイ APS 103 -0.0000059 千石
3 ポリプロピレン ニッセイ APS 333 0.00000037 千石
4 ポリエステル ニッセイ MMT 333 0.0029 秋月
5 ポリエステル ルビコン F2D 333 0.0036 ?
6 ? ? ? 333 0.0032 aitendo
7 ポリプロピレン ルビコン MPS 473 -0.00033 秋月
8 ポリプロピレン ニッセイ APS 683 0.00034 千石
9 ポリプロピレン ルビコン MPS 104 -0.00025 秋月

簡易的な測定方法なので、ポリプロピレンコンデンサなどの誘電正接の値が小さいものについては、誤差量が測定値を上回り、値がマイナスになっているものもあります。 したがって、ポリプロピレンコンデンサの誘電正接の値は正確ではありませんが、ポリエステル・コンデンサの 0.003 程度の値とは明確に区別できます。
6 番のコンデンサは、aitendo の店舗で単価 20 円で売られていたものです。 陳列棚には「PP」の表示がありましたが、測定結果を見るとポリプロピレンではないようです。
測定回路については次回説明しますが、ハードウェアとしては下の図の回路、


を使い、約 1 kHz の正弦波を PC 上の WaveGene で発生させ、PC のオーディオ出力から測定回路に加え、測定回路で検出した DUT (Device Under Test) のコンデンサの電圧/電流値を PC のステレオ・オーディオ入力から取り込んで wave ファイルに「録音」します。
そして、その wave ファイルを PC 上のソフトウェアで下の図のような処理を行い、tan δ を求めます。