FR60 マイコン基板 (16) -- ベースボード製作(3)

LCD の Vo は、負電圧が安定していれば、通常 +5V と GND の間に接続する VR を、+3.3V と負電圧の間に接続するだけですみます。
しかし、ベースボードは V850 基板と共用していますから、LCD および RS232C インターフェース IC の電源電圧は V850 の場合 +5V、FR60 の場合 +3.3V に変化します。
RS232C インターフェース IC で発生させる負電圧も電源電圧により変化しますから、何らかの方法で Vo 電圧を安定化しないと、CPU 基板を変えるたびに Vo 調整の必要が生じます。

Vo の安定化は、負電源用の3端子レギュレータの 79L05 などを利用するのが簡単ですが、手持ちがなかったので、シャントレギュレータの TL431 を使用することにしました。
TL431 は秋月で 10 個 100 円、つまり 1 個 10 円なので気軽に使うことができます。
TL431 は、大雑把には、外部抵抗で電圧設定が可能なツェナダイオードと言えます。
したがって、使い方もツェナダイオードに準じます。
そのほかに

  1. 最低、約 1 mA の電流を流さなければならない。
  2. パスコンの容量に制限がある。

といった制約があります。
1. の制約は、ツェナダイオードにもあります。
Vo の本来の電流は確実に 1 mA 以下ですから、余分に 1 mA 流して安定化することになり、省エネの逆を行くことになります。
2. は、メーカーにより違いがあるようですが、普通、常識的に思いつく 0.1 uF や 1 uF 程度のパスコンを付けると、かえって不安定になることです。
安定に動作させるには、もっと小さい値か、もっと大きい値のコンデンサにする必要があります。
ここでは、簡単のため、パスコンは付けていません。