MIDI to CV (3) -- のこぎり波 VCO (2)

オクターブをまたぐ部分で VCO 波形が乱れて、ノイズを生じる現象について、波形およびスペクトラムを示します。
MIDI ノート番号 0 (C0) の最低音 (約 8 Hz) から、ノート番号 127 (G10) の最高音 (約 13 kHz) までを、最もスピードを遅くしたポルタメントによりスイープします。
出力波形の wave ファイルは (→こちら) に置きました。
下の写真の下側のトレースは、ADuC7026 マイコンの 12 ビット DAC から出力された、F-Number 相当のアナログ CV で、上側のトレースは、VCO をドライブする OP アンプ出力 (14 ピン) の波形です。

水平軸は 250 us/div であり、OP アンプ出力が落ち着くのがトランジェントから 5 div ぐらいですから、1.25 ms 程度であることが読み取れます。
U3 の回路は、ちょっと見ると「差動入力の積分回路」のように見えますが、実際にローパス特性なのはマイナス入力側だけで、プラス入力側は HPF のように働きます。
上の写真で OP アンプ出力が急激に立ち下がっているのは、プラス入力側の CV の変化がそのまま現れているためです。
その後の、ゆっくりとした変化が、フィードバック・ループの本来の応答特性です。
下の図は、波形編集ソフトのスペクトル表示機能で wave ファイルを見たものです。
オクターブが変化して、ノイズの入る部分に細い縦線が見えます。

これは、全体では約 11 オクターブに渡るスイープの後半 6 オクターブ程度を表示したものですが、表示サイズが小さくて、ノイズの入る場所が3箇所しか見えていません。
大きいサイズの表示 (→) では、ノイズの入る場所は5箇所全部見えます。
ノイズの入る場所付近の時間波形を下に示します。 下の図の中央付近の波形が乱れているのが分かります。