dsPIC33FJ64GP802 (24) --- 周波数シフター (8)
偶対称の位置に配置した方形波のフーリエ展開である 1.442-4. 式のサイン → コサイン置き換え版である 1.442-3. 式
と、前回示した逆グーデルマン関数の定義
の右辺を比較すると、
- 係数 の有無
- 変数 と変数 の違い
を除いては同じ形になっていることが分かります。
変数の違いは、単に逆グーデルマン関数の定義で、たとえば、 および と置き換えてやれば一致させることができます。
そうすると、
となり、1.442-3. 式を逆グーデルマン関数で表すことができます。
最後に、三角波の場合を示します。
1.444-5. 式では を使って表されており、一方、1.444-6. 式では を使って表されていて、統一されていませんが、おそらく、これは別々の文献が「元ネタ」となっており、それぞれの表記の違いを受けついているものと思われます。
実際に計算される値としては、1.444-5. 式では初項が なので、
一方、1.444-6. 式では初項が なので、
となり、どちらも 1 から始まる奇数について和を取ることになります。
1.444-5. 式の場合は、下のグラフのように「奇対称」の位置に配置したものです。
1.444-6. 式の場合は、下のグラフのように「偶対称」の位置に配置したものです。
"Table of Integrals, Series, and Products" には、サイン/コサイン関数を入れ替えた公式は記載されていません。
そのため、三角波の場合の 90° 位相シフトされた波形については初等関数 (あるいは特殊関数) による表現は不明です。
ただし、フーリエ級数としては表現できるので、2019 年 3 月 7 日付けの記事のように、値を求めてグラフをプロットすることは可能です。