FM音源チップの EG 波形 (1)
MA2 オーサリング・ツールに内蔵されている MA-2 エミュレータ (ソフトウェア音源) で発音させた時のエンベロープは、下の画面のようにアタック部分が直線状になります。
MA2 オーサリング・ツールのドキュメントでは触れられていませんが、MA3 オーサリング・ツールのマニュアルには、
立ち上がりの遅い音色では、実機と音が異なることがあります。 MA-3エミュレータでは、EG のアタックカーブを実機に比較して単純化しています。 立ち上がりの遅い音色では、音が若干異なることがあります。
という記述があります。
「単純化」というのがアタック部分を直線で代用することを指しているなら、MA-2 エミュレータでも同様の単純化が行われていることになります。
私は OPL3 音源チップ (YMF262) そのものが載ったサウンド・ボードを2枚、カスタムチップ内に集積されているボード2枚の計4枚、
- Pro AudioSpectrum 16 (MediaVision 製)
- Sonic Sound LX (Diamond 製)
- Sound Blaster AWE32 (Creative 製)
- Sound Blaster AWE64 Gold (Creative 製)
を持っていますが、いずれも ISA バスの古いカードで、すでに使っていません。
再稼動させるのには手間がかかるので、FM音源プログラムを作るに当たって、これらのカードを動かして波形を見ることはしませんでした。
そのあたりの事情は、(d:id:pcm1723:20080108) に書きました。
ちなみに、ここで示しているエンベロープの設定は
- AR = 05
- DR = 03
- SL = 01
- RR = 05
- EGT = 0 (減衰音モード)
です。
下の画面は V850 版のFM音源プログラムの出力で、ADuC7026 版も同様です。
アタック部分は「ゴンペルツ曲線」になっています。 そのあたりの説明は、(d:id:pcm1723:20080112) に書きました。
TGmega 版の出力は下の画面で、アタック部分はアナログシンセと同様の の形になっています。
ただし、リニア値のドメインでこの計算をしているので、lb 値との関連付けが出来ておらず、アタックの途中でリリースを開始すると正しい動作をしません。
また、lb 値の刻みが荒いので、ディケイ部分が階段状に見えます。リリース部分も同様に階段状ですが、減衰が早いので見えにくくなっています。
「FM音源チップの EG 波形」とタイトルを付け、そのつもりでいたのですが、古い ISA ボードの再稼動には、やはり手間が掛かり、まだ動かせていません。
そういうわけで、ソフトウェア音源の EG 波形を先に示しました。