PIC18F14K50 (1)

Microchip 社の PIC18F14K50 は ROM/RAM 容量は少ないですが、USB インターフェースを内蔵していて、価格は秋月で DIP パッケージの場合で 200 円と安く、かねがね使ってみたいと思っていました。
ところが、手持ちの PIC ライタは AKI-PIC プログラマ Ver.3 を Ver3.5 にアップグレードしたものなので、当然、最近の PIC の品種には対応していません。
そんなわけで、使ったことのある「最新」のPIC は、PIC16F628 (「A」が付かない) 止まりでした。
18F14K50 に書き込むために、いわゆる「Writer509」互換のライタを作り始め、手持ちの 16F628 に書き込めることを確認する所までは順調に進みました。
しかし、肝心の 18F14K50 ではフラッシュへの書き込みがうまく行かず、悩んだのですが、Writer509 のファームウェアのソフトウェア・シリアルのタイミングを微調整したら、あっさりと正常に動作するようになりました。
PIC ライタの製作に当たっては、手持ちの部品だけを使って、新たに部品を購入しないですむことを念頭に置きました。
現在、フリーの PIC ライタ・プログラムで 18F14K50 に対応しているのは、FENG3 さんの「PICProg4U」(バージョン 2.0.2 以降) と、「でんし研」(TAD さん) の「Writer509 Ver2.53+b」だけのようです。
当初は、回路が簡単なので「RCD ライタ」を作るつもりでいましたが、「PICProg4U」をダウンロードしてみて、RCD ライタに対する PIC デバイスの選択メニューには 18F14K50 が現れず、「Writer509」 のメニューには現れたので、「Writer509」の作成に変更しました。
オリジナルの「Writer509」では 12F509/12F629/12F675 を使用しますが、それだと追加購入が必要になるので、手持ちの 16F628 で実現できる、でんし研の「PIC デュアルライター」を「Writer509」モードで動作させるのに必要な部分だけを作ることにしました。
実際に作った回路を下に示します。

オリジナルのデュアルライターでは RS232C の信号に直結ですが、ここでは RS232C インターフェース部は外付けとしました。
また、DC-DC コンバータ部は TL499A を使い、Vpp 電圧は 18F14K50 用の 9V と、それ以外の 13V とを切り換えられるようにしてあります。
Vpp/Vdd のスイッチ部は、手持ちがあったので「デジタル・トランジスタ」を使って簡略化し、さらに 8.2V ツェナーは使用せず、ベース接地の NPN トランジスタを使う回路にしました。
+5 V 電源は USB から取り、18F14K50 の書き込みの場合には、書き込まれるチップ側だけでなく、ライタ側のハードウェアにも 3V を供給して、レベルシフト回路を不要にしました。
製作した基板の写真を下に示します。

手持ちの ZIF ソケットは Aries 社の 40 ピンのものしかなかったので、上側 20 ピン部分は PIC ライタとして、下側 20 ピンの部分は 18F14K50 の応用回路の IC ソケットとして使うようにしました。
写真の ZIF ソケットの左側上部が TL499A による DC-DC コンバータ部で、ほとんどの LCR 部品は、はんだ面側に取り付けてあります。
右側上部が 16F628 によるコントロール部です。
写真では 18F14K50 は下側に挿してあって、応用回路としての動作をさせています。
40 ピン ZIF ソケットはネジ止めになっている古いタイプのもので、ネジを外して、コンタクトプレートを入れ替え、足の間隔を 600 mil 幅から 300 mil 幅に変更してあります。
ZIF ソケットを外した写真を下に示します。 ソケットに隠れていたデジタル・トランジスタや抵抗が見えています。