多機能デコーダ VS1053b (11) -- VS1053b 簡易モニタ (4) ハード編

ATtiny2313 を使った簡易モニタのハードウェアの説明です。
(→回路図 )
この回路図は MCU および I2S DAC との接続部分だけを示していて、VS1053b 自体の回路については省略してあります。
下にボードの写真を示します。
一番下にある 20 ピンの IC が ATtiny2313 で、右下のピンヘッダがホストと RS232C シリアル接続するためのコネクタで、例によって「9-KE」ケーブルを利用していますから、ボード上には RS232C インターフェース回路はありません。

右上の 8 ピン IC が TDA1543A で、2008-7-13 の記事のように、TDA1543「A」では、正常に動作しません。
「A」なしの TDA1543 に差し替えれば、うまく動くはずですが、現在その予定はなく、手持ちの BU9480F を使った回路に改造しようと思っています。
ちょっと見えにくいと思いますが、ATtiny2313 は、右側が 8 ピンの黒い色のソケットに刺さっていて、左側が青い色の 16 ピンソケットに刺さっています。
ふたつのソケットは 1 ピン分の間をあけて実装してあり、そのため、ATtiny2313 の 6 番ピンと 15 番ピンは宙に浮いています。
これは、ATtiny2313 を取り除いて、別のマイコンと接続する場合に、

  • 16 ピンソケット部分を利用してマイコンと接続
  • 8 ピンソケット部分に SPI ブート用の 8 ピンSPI EEPROM を実装

するためです。
ATtiny2313 の 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14 ピンに 8 ピンSPI EEPROM 接続に必要な信号を集めてあります。
実は、ハードウェアの製作開始時点では、SPI EEPROM の入手性を全く考慮していませんでした。
作っている途中で調べてみると、秋葉原に実店舗を持つ代表的な販売店の Web サイトでは、SPI EEPROM である 25AAxxx / 25LCxxx のタイプの EEPROM を扱っているところは見当たりませんでした。
Digi-Key では、64 Kビットの 25LC640A が、最小発注数量 1 では 121 円でした。
8 ピンSPI EEPROM が使えるようにと思ってハードウェアを製作しましたが、実際には EEPROM を使うことはないと思います。
16 ピンソケット部には、たとえば(→こちら)のような IC ソケット嵌合タイプのフラットケーブル圧接用コネクタを使って、マイコン側と接続します。
ATtiny2313 が刺さっていない、「空き」の 6 ピン部分の信号の割り付けに関しては、まだ決定していません。
ATtiny2313 のクロックは、3.3 V 電源で使うことを考慮し、9.216 MHz の水晶振動子 / セラミック発振子を使うことにしました。
シリアルのボーレートを 115.2 kbps としたいので、内蔵 8 MHz RC オシレータではボーレート誤差が 3 % 程度と大きくなってしまいます。
実際には、muRata のコンデンサ内蔵3端子型のセラロック(公称周波数 9.22 MHz)を使用しています。
ボードのハンダ面に実装しているので、上の写真には写っていません。
回路図では AVR の ISP (In-System Programming) 用のコネクタへの配線も示してありますが、実際の回路では実装していません。
こうすれば ISP できるよという例であり、実際に確かめてはいません。
VS1053b の 「SO」出力の配線に挿入してある 4.7 kΩの抵抗は ISP を使わない場合は除去して配線を直結してください。