多機能デコーダ VS1053b (10) -- I2S フォーマット外部 DAC 接続

VS1053b の外部 I2S 入力フォーマット DAC 接続機能の検証のために、必要な配線を行い、TDA1543 を接続してみました。
しかし、出てくる音は、通常の音量では、ほぼホワイトノイズで、音が減衰して音量が小さくなった部分のみ、まともな音になります。
配線を見直してみましたが、間違いはありません。
ここで、DAC を良く見ると、「TDA1543」ではなく「TDA1543A」でした。
Web で調べてみると、IC の型名はサフィックスの「A」だけの違いですが、

  • TDA1543 - I2S フォーマット
  • TDA1543A - 1 ch あたり 24 クロックが必要なフォーマット

らしいことが分かりました。
TDA1543A 自体のデータシートが見つからなかったので、詳しいことは分かりませんが、入力フォーマットが違うために、まともな音にならなかったと思われます。
私の経験上、16-bit オーディオ出力データの上位バイトと下位バイトが入れ替わって再生された場合と同様の音だと断言できます。
VS1053b の内部レジスタ SCI_VOL (0x0B) を設定して、約 42 dB 程度減衰させると、ほほ正常な音になります。
約 42 dB の減衰は約 7 ビットのシフトに相当し、I2S フォーマットでは LSB だけが LRCK のエッジの後に「こぼれて」いることを考慮すると、この操作で 16-bit オーディオ出力データの上位バイトのデータを下位バイトの位置に置いていることになります。
他には I2S フォーマットの DAC の手持ちがなく、いわゆる「標準フォーマット」の DAC しかありません。
I2S フォーマットの LRCK を D-FF を使って 1 SCLK 分遅らせてやれば標準フォーマットの DAC でも使えるはずですが、基板上には 14 ピン DIP を載せるスペースはなく、これは今後の課題とします。
I2S フォーマットの外部 DAC 接続の検証としては不十分ですが、これ以降は簡易モニタのハード / ソフトの説明に移りたいと思います。