FR60 マイコン基板 (14) -- ベースボード製作(1)

FR60 マイコン基板のベースボードの製作に入りました。
といっても、手間を省くために、V850 用ベースボードを利用することにしました。
V850 用のベースボードは、V850 基板を2枚装着することを想定して、ボード下部を空きスベースとして確保してありました。
STARM 基板の性能が V850 基板の約3倍と判明した現在では、V850 基板の2重連をする意味はなく、また、サイズの大きい FR60 基板が幸運にも空きスペースにおさまったので、こういう形になりました。

このベースボードは、かなり豪華版で、RS232C インターフェース IC と、4ピン・フォトカプラとカレントミラーによる MIDI インターフェース回路を搭載していて、シリアル MIDI の DSUB 9 P ケーブルと、MIDI ケーブルを直接接続できます。
ただ、問題があって、V850 では、5 V トレラント入力が使えるのを利用して、LCD を含む周辺回路を 5 V で動作させていました。
FR60 シリーズの中には、5 V トレラント入力を持つデバイスもありますが、MB91FV310A は 5 V トレラントではありませんから、ピンに 5 V が印加されないようにする必要があります。
最も簡単には、周辺回路を 3.3 V で動かせば解決します。
しかし、OP アンプと LCD モジュールについては問題が出てきます。
LM358 / LM2904 / LM324 / LM2902 などのタイプの OP アンプでは、Vcc - 2 [V] 程度が入力電圧の上限となります。 そうすると、0 〜 1.3 V 程度の入力電圧しか扱えなくなってしまいます。
Vcc が 5 V なら、入力電圧範囲は 0 〜 3 V 程度となり、3.3 V 系の電圧も十分扱える範囲になります。
ここでは簡単のため、OP アンプの使用をやめて、パッシブ LC フィルタにしました。上の写真の FR60 基板の上辺の中央やや右寄りに見える黒い円状のものが 33 mH のインダクタです。
LCD モジュールについては、LCD コントローラ IC は 3.3 V でも動作するものが多いのですが、液晶のバイアス電圧 Vo (3ピン) が問題になります。
ボードで使用している 5 V 仕様の LCD モジュールでは、Vo は Vdd 基準で -4.5 V 程度になります。 
これは、Vss 基準に直せば 0.5 V 程度ですから、Vo を Vss に直結すると表示が濃すぎる状態となり、VR で分圧した 0.5 V 程度を Vo に加えてやれば、ちょうど良い濃度になります。
Vo は Vdd 基準で -4.5 V 程度必要という事情は Vdd = 3.3 V でも変わりませんから、結局、Vo = 3.3 - 4.5 = -1.2 V ですから、負電圧 が必要になります。
幸い、このベースボードの場合は RS232C インターフェース IC を搭載しているので、そのチャージポンプ部からマイナス電圧を取り出せます。