トラ技 2019 年 5 月号付録 PSoC4100S 基板 (2)

 CY8C4146LQI-S433 (PSoC 4100S シリーズ) での FF (Fixed-Function) モジュールの入出力は、任意のピンに割り当てることはできず、数か所の選択肢の中からひとつを選ぶ形になります。
 その割り当て表は、デバイスのデータシートやトランジスタ技術 2019 年 5 月号の 114 ページと 115 ページとの間にはさみこまれた紙に記載されていますが、ちょっと見にくいので、書き直した表を下に示します。 (図をクリックすると拡大します)

TSoC_pin.png

 データシートでの記述は、たとえば、

  tcpwm.line_compl[0]:0
  scb[1].spi_select1:2

のように記述されています。 角カッコ [・] の中の数字は FF の「インスタンス番号」を示し、コロン「:」の後の番号は複数ある選択肢の番号を示しています。
 この記述を簡略化できる限り簡略化し、

  tcpwm0.line_c0
  scb1.spi.sel1:2

のように表記しました。
 そして、SCB については、インスタンス番号と uart/spi/i2c モードの組み合わせを表のカラムとして、rx/tx などの端子名と選択肢の番号を組み合わせたものをセル内に記述しています。 spi モードの「select0/1/2/3」は、信号名の最後の数字と選択肢の番号が連続するので、コロンは省略していません。
 tcpwm についてはインスタンス番号でカラムを分け、「line_compl」は「line_c」と省略しました。
 「Conn」のカラムはトラ技基板のコネクタ番号とピン番号、「Pin」は PSoC4 のポート番号です。
 「TCPWM」のカラムは、各 TCPWM モジュールに共通のトリガ入力 tr_in0 ~ tr_in6 を表しています。
 「misc」のカラムは、アナログ信号やクロック信号などです。
 「Capacitor」のカラムは、トラ技基板上で接続されているコンデンサの容量を示しています。
 黄色の背景のセルは、ブートローダ接続を常時有効にしている場合に他の用途に使えないピンを表しています。
 薄い赤色の背景のセルは、基板上のコンデンサを取り外さない限り、高速のディジタル信号の入出力には向かないピンを表しています。
 SCB2.spi については、「clk」信号が割り付けられている P1_7 にはコンデンサが接続されており、さらには、P1_7 はコネクタに引き出されていないため、基板の改造なしでは全く利用できません。
 SPI の MISO か MOSI のいずれかが使えないのであれば、送信専用あるいは受信専用としての使用は可能ですが、CLK が使えないとなると、「同期通信」が全く成り立たないので (基板を改造しない限り) SCB2 の SPI は使用不可となります。