HX711 (2) --- DAC 測定

(ノン・オーバーサンプリングでマルチ・ビットの) オーディオ DAC の「BU9480F」と「PT8211-S」、および 16 ビット PWM DAC の測定をしてみました。
HX711 回りの回路図を下に示します。 (HX711 内蔵のレギュレータは使用せず、外付けの 3.3 V LDO を使用しています)

DAC の 2 Vp-p 程度の出力レンジに合わせるため、2.2 kΩ と 100 Ω による分圧回路を HX711 の入力側に設けています。 そのままでは DAC 出力への負荷としては重過ぎるので、LM358 によるバッファを設けています。 (LM358 の電源には +5V を加えて 3 V 程度まで出力できるようにしています)
HX711 のコントロールおよびオーディオ DAC への出力、ホスト PC への測定結果出力は「Nucleo F446RE」を使用しました。 Nucleo F446RE 回りの回路図は省略します。
測定方法としては、Nucleo から DAC に -32768 〜 32767 まで 1 ずつ増加させながら 16 ビット・データを送出し、DAC のアナログ出力を HX711 で変換した結果を Nucleo で読み取り、 Nucleo の仮想 COM ポート経由でで送信したものをホスト PC で読み取り、ファイル化しています。
読み取った変換特性のデータから「線形回帰」により求めた直線を「理想特性」として、そこからのズレを「積分非直線性誤差」(INL: Integral Non-Linearity) としてグラフ表示しています。
16 ビット PWM による測定結果を下に示します。

PWM による DAC は原理的には非直線性誤差は「ゼロ」になるはずですが、±3 LSB 程度の誤差が見られます。
これが HX711 の特性なのか、外部回路によるものなのか、よく分かりません。
Rohm BU9480F の結果を下に示します。

誤差の範囲は -10 LSB 〜 20 LSB 程度で、「まあまあ」といったところでしょうか。
PT8211-S の結果を下に示します。

誤差の範囲は -30 LSB 〜 30 LSB 程度で、あまり良くありません。
コードが 8192 の前後で 20 LSB 程度の「ジャンプ」があります。