ADC 2 種 (PCM1808、TM7705N) の評価 (1)

aitendo で販売している次の 2 種の A/D コンバータを Nucleo で動かしてみました。

  • PCM1808 (TI (旧BB) 製)、単価 100 円、ディジタル・オーディオ用途 (2 ch ステレオ、96 kHz サンプリングまで、HPF 付きで DC 不可)、24 ビット・デルタ・シグマ方式、14 ピン TSSOP (0.635 mm ピッチ)
  • TM7705N (Titan Micro Electronics 製, Analog Devices AD7705 のコンパチ品と思われる)、単価 150 円、DC 付近の電圧測定用 (50 / 60 Hz のノッチ・フィルタ設定可能、x1 〜 x128 の PGA、差動入力 2 系統)、16 ビット・シグマ・デルタ方式、16 ピン DIP

PCM1808 は A/D としての分解能は 24 ビットですが、THD+N = -93 dB、SNR およびダイナミック・レンジは 99 dB で、そこそこの性能です。
ディジタル・インターフェース・フォーマットとしては 64 クロック/フレームの I2S フォーマット、あるいは左詰めフォーマットのみです。
評価方法としては、現状では 24 ビット・ディジタル・オーディオ・データを直接に扱えるハード/ソフトともに所有していないので、次のような簡易的な方法で観察するにとどめました。
下のように「ブレッドボード・シールド」上に回路を組み、

Nucleo → DAC(L ch) → ADC → Nucleo → DAC(R ch) → PC オーディオ入力

Nucleo のプログラムで固定周波数のサイン波、あるいはサイン波スイープを発生させ、上記のようにアナログ / ディジタルの変換を繰り返しながら最終的にアナログ電圧として PC のオーディオ入力に流し込んで、WaveSpectra で観察しました。
その結果、ブレッドボードでノイズ対策が十分でないために乗るノイズのほかには、特にひずみ率が悪化するようなことは見られませんでした。