STM8S-Discovery (8)

efu 氏作のフリー・ソフト、「WaveGene Ver 1.40」と「WaveSpectra Ver 1.40」を使って特性を測定してみました。
まずは 1 kHz の単一正弦波出力に対するスペクトラムを見ますが、後で述べる TSP (Time Stretched Pulse) による測定も含め、特記がない場合の測定条件を列挙しておきます。
ハードウェア

  • PC メインボード上の HD オーディオ・コーデック (Realtek ALC888) を 16 ビット、96 kHz サンプリングで使い、
  • ライン入力端子から DAC 出力信号を入力
  • DAC 出力は直流カットのための 220 μF アルミ電解コンデンサを介して、BU9480F では 4.7 kΩ と 820 Ω で分圧、PCM1716E では 4.7 kΩ と 470 Ω で分圧してライン入力に加える
  • DAC 出力ローパスフィルタはなし
  • STM8S-Discovery の 16 MHz クリスタルを 18.432 MHz に換装

ソフトウェア

  • 「WaveGene V1.40」を使い、レベル 0 dB の 1 kHz サイン波 (65536 点 FFT に最適化) を、16 ビット 48 kHz ステレオの .wav ファイルとして、SD カード上に作成
  • STM8SDP プログラムでは 384fs モードに設定し、CPU クロック 18.432 MHz / 384 = 48 kHz サンプリングで動作させる
  • 「WaveSpectra V1.40」の録音フォーマット設定は「96 kHz サンプリング・ 16 ビット・ステレオ」
  • FFT 点数は「131072」、窓関数は「Blackmann」
  • スペクトラムの縦軸は「dB」でレンジは「120 dB」、シフトは「Norm」

まず、BU9480F の場合の結果を下に示します。
約 1 分間の再生でのピーク値を示しています。 (WaveSpectra では「Main」は黒、「Peak」は赤、「Ave」は青のプロットで表示されます)

これを見ると、2 kHz の 2 次高調波が約 -70 dB のレベルとなっています。
それより高次の高調波でレベルが大きいのは、5 次、6 次で、 -90 dB 程度のレベルになっています。
20 〜 40 kHz 付近にある成分は外来ノイズで、STM8S-Discovery の電源がオフの状態でも乗っています。
50 Hz には電源ハムの成分があります。
100 Hz の成分は見えませんが、150 Hz、250 Hz、350 Hz あたりの高調波成分が見えています。
ちょっと見えにくいのですが、375 Hz の成分は、SD カード・アクセスに起因するものです。
この成分については、次回の PCM1716E の場合で説明します。