PIC18F14K50 (8)
PIC18F14K50 の内蔵モジュールを利用した VCO で、「Franco の補償」のための抵抗を挿入して特性を測定しました。
抵抗値を順に、270 Ω、300 Ω、330 Ω と変えた場合の測定結果のグラフを下に示します。 例によって、連続4回の測定結果を重ねてプロットしてあります。
VCO の誤差の原因として、明確なのは
- リセット・パルス幅に起因する誤差
- ベース結合アンチログ回路のベース電流による誤差
- アンチログ回路の基準電流が入力電圧値により変化するための誤差
- トランジスタ内部の (直列) ベース抵抗、(直列) エミッタ抵抗による誤差
の4つがあります。
このうち、1. と 2. の誤差の出方は同様で、Franco の補償によりキャンセルできます。
他の誤差の変化の傾向は違うため、Franco の補償だけではキャンセルできません。
抵抗値が小さくて補償量が不足する場合にはグラフは単調減少し、抵抗値が大きくて補償量が過剰な場合にはグラフは単調増加となりますが、上のグラフのように、300 Ω 近辺の抵抗値では、CV = 2.5 V 付近で一旦下降し、CV = 3 V 付近では急上昇するような形になります。
広い CV の範囲で誤差を少なくしたい場合には、抵抗値を 270 Ω 程度に選べば、CV = 0 〜 3.2 V 程度まで誤差 ±10 セント程度にすることができます。
誤差の少ない CV の範囲が 0 〜 2.5 V 程度でよければ、抵抗値を 300 〜 330 Ω 程度に選べば、もっと誤差を小さくできます。
次は、一定のリセット・パルス幅を決める時定数回路を、のこぎり波発生回路とは別に持つ形式の構成の VCO を試してみたいと思います。