PIC18F14K50 (16)

今回は、「組み合わせ 1」の

  • Q1, Q2 にノーマルタイプであるトランジスタ・アレイ TD62507 を使い、
  • Q3 にスーバーベータの 2SC3113 を使った

場合です。
つまり、以前から実験している基本回路の Q3 だけを 2SC3113 に置き換えたものです。
Q3 の hFE は 1800 程度です。
ここ最近のスーパーベータトランジスタを含む回路の実験は、DIP パッケージである TD62507P をソケットから外して、回路を「ディスクリートプラットフォーム」上に実装したものに差し替えて行っていました。
「組み合わせ 1」の構成では、TD62507P はそのまま使い、実験基板上の回路の配線を変更する必要があるので、一番後回しになっていました。
測定結果のグラフを下に示します。

赤い線が測定結果で、青い線がリセット時間換算で 6.5 μs に相当する誤差のグラフです。
Q1 〜 Q3 すべてが TD62507 の場合には T = 12 μs 相当の誤差でしたから、それに比べると誤差は少なくなっていますが、期待したほどではありませんでした。
また、ベース波形の乱れが見られたので、ベース・エミッタ間にコンデンサを追加してあります。
前の場合と違い、高い周波数になるとかえって乱れが小さくなる傾向にあり、中間程度の周波数で最も乱れが大きくなります。
コンデンサの容量を 222 (2200 pF) に選ぶと、ほぼ乱れはなくなりました。
Franco の補償の抵抗値は、計算上では、
    R = T / C = 6.5 [μs] / 22 [nF] = 295 [Ω]
となりますが、ほぼ計算値通りの 300 Ω を使った場合の結果を下に示します。

CV = 3 V 程度、つまり約 10 オクターブの範囲で、誤差 ±10 セント程度の精度が得られています。
スーパーベータトランジスタを使ったアンチログの実験は、ひとまずこれで終わりとし、今後は、

  • CMOS アナログスイッチによるリセット回路の実験
  • のこぎり波バッファの実装
  • トランジスタ・アレイ内のトランジスタを使った温度検出/温度補償回路の実験

などを進めていきたいと思っています。