PSoC 4200 Prototyping Kit (22)

今回はアプリケーション・ノート AN68272 で触れられている、もうひとつのタイプの UART Bootloader Host GUI についてです。
関連アーカイブ・ファイル AN68272.zip に含まれる UART Bootloader Host GUI サンプル・アプリケーションは Visual C# 2010 によって記述されていて、簡易版ではありますが完結した一個の Windows アプリケーションとなっています。
無償で利用できる Visual C# 2010 Express でビルドでき、有償の製品版を使う必要はありません。
Bootloader Host のコア部分は 32 ビットおよび 64 ビットの DLL として提供されていて、ソースコードは示されていません。
Visual C# による記述は、足回りのシリアル通信部分と、GUI (Graphical User Interface) 部分のみです。
実行環境として、

  • Visual C++ 2010 再配布可能パッケージ

がインストールされていることが必要です。 (もちろん、前述の DLL も実行パスの通った場所に置かれていること)
コンパイル済みの 32 ビット版実行ファイル "UARTBootloaderHost.exe" も同梱されており、そのまま利用できます。
シリアルポートまわりは標準で組み込まれているクラスを使っていて、PSoC Creator 付属の Bootloader Host ではエラーになって使用できない CP2102 などの USB-シリアル変換チップでも使えることを確認しています。
"UARTBootloaderHost.exe" を実行した場合のスクリーン・ショットを下に示します。

フォーム上に「Step1:」として示されているように、まずドロップダウン・ボックスから COM ポート番号とボーレートを選びます。 あらかじめ書き込まれているブートローダを使う限り、ボーレートは 115200 bps を常に選びます。
次に「Step2:」として示されているように、「Browse」ボタンを押してファイル・ダイアログを開き、オブジェクトの ".cyacd" ファイルを指定します。
次に、まだ「オート・リセット」改造は施していないので、「手動」で Prototyping Kit のブートローダを起動させます。
最後に「Bootload」ボタンを押せばフラッシュ書き込みが始まります。
「ベリファイ」ボタンや「イレース」ボタンはありませんが、もちろんコア部分にはこれらの機能は実装されており、これは単に GUI ボタンのインターフェース部分が実装されていないだけです。
次回はソフトウェアの改造部分 (数行を追加するだけ) とハードウェアの追加部分 (ダイオード 2 個と配線のみ) について述べます。