FPGA 版 FM 音源 (49) -- YMF297 (OPN3/OPL3) 測定 (14) -- EG ミュート状態

リニア出力のアナログ EG では、ディケイ/リリース回路に 1 次 RC 回路の放電特性のエクスポネンシャル・カーブを利用していれば、時間の経過とともに出力電圧はサステインあるいはグラウンド・レベルへ限りなく接近していきます。 
リリース状態で「放置」していても、グラウンド・レベルに貼りついたままであり、不都合を起こす心配はありません。
一方、対数ドメインで動作するディジタル EG では、ディケイ/リリースのエクスポネンシャル・カーブでの減衰は、EG アキュムレータに定数を足しこんでいって、減衰量を増やすことによって実現されています。
リリース状態を「放置」しておくと、どんどん増加する EG アキュムレータの値がいつかは最大減衰量を超えてオーバーフローし、ラップ・アラウンドして減衰量が小さな状態に突入してしまいます。
したがって、EG アキュムレータの値の更新を最大減衰量 (あるいは、その付近) で停止させる、「OFF」あるいは「ミュート」と呼ぶべき状態を設ける必要があります。
下に実チップのキャプチャではなく、アタック/ディケイのみのソフトウェア EG シミュレーション・プログラムを使って作成した、最大減衰量付近のふるまいの図を示します。

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