VCO

XR2206 (9)

XR2206 で、のこぎり波を発生させる場合の波形写真を示します。 まず、VR3 を Vcc/2 側いっぱいに回して、3 番ピンのバイアスが一定の場合のランプ波形を下に示します。

XR2206 (8)

実験の本筋である、リニアリティの測定や、もっと精度の高い歪率測定などには、まだ手を付けていないので、今回は「小ネタ」をいくつか取り上げます。

XR2206 (7)

私も、やっと XR2206 を手に入れました。 さっそく、サイン波形の歪率の測定と、各部の波形/電圧の測定をしてみました。 と言っても、(ハードウェアの) 歪率計を持っているわけではないので、「efu」さん作成の PC のオーディオ入力を利用してスペアナを実現…

XR2206 (6)

最近では、実際に XR2206 を手に入れて、観測した波形写真などを載せた Blog などが増えてきました。 そのひとつである、「edy」さんの Blog 迷走の果て・Tiny Objects の 4/18 のエントリに AM 変調した波形と、1 kHz、1 MHz での三角波の波形写真が掲載さ…

XR2206 (5)

文献 *1 に従って、5 個の差動対からなる「Gilbert sine shaper」の LTSpice シミュレーションをやってみました。 *1:dos Reis Filho, C.A. Pessatti, M.P. Cajueiro, J.P.C.: "Analog Triangular-to-Sine Converter Using Lateral-pnp Transistors in CMOS …

XR2206 (4)

いろいろ考えた末、三角波から正弦波へ変換する回路として 調整後の歪率が 0.5% 程度 正弦波の振幅が三角波よりも小さくなる という特徴を持つ方式にたどり着くことができました。 はたして、これが実際に XR2206 で使われているかどうかは分かりませんが、…

XR2206 (3)

XR2206 の波形整形部の誤りを訂正して書き直した回路図をこちら (→) に示します。 VCO 部から矩形波を作り出している部分は、特に面白味もなく、誤りもないので省略します。 正弦波の整形部分は、 500 Ω 程度の抵抗を接続すると正弦波になり、オープンにする…

XR2206 (2)

前回の回路図では、部品に番号を付けていませんでしたが、番号なしでは今後の説明が面倒になるので、XR2209 の説明の時に適当に付けた番号と同じ働きのトランジスタには同じ番号を振って、回路図を書き直しました。 LTSpice による回路シミュレーションも行…

XR2206 (1)

秋月で取り扱いが始まった、話題の「XR2206」ですが、私はまだ入手していないので、回路的な検討だけでも始めようと思います。 データシートには内部の等価回路が掲載されていますが、残念なことに、いくつかの誤りが見られます。 気が付いた誤りを訂正し、…

PX-150 (17)

秋月で扱っている 10 個入り 100 円のショットキ・バリア・ダイオード「HN2S01FU」を入手したので、リニア VCO の Franco の補償に使ってみました。 今回は、MC14577 を使用して波形写真を撮るだけで、特性の測定はしていません。 いつものように、まず、電…

PX-150 (16)

今回は CMOS アナログスイッチによる回路です。 下の回路図のように、当初はワンゲート CMOS ロジック (0.95 mm あるいは 0.65 mm ピッチの 5 ピン・パッケージに CMOS ロジックを1回路のみ内蔵したもの) の TC4S66F を使った回路を試したのですが、アナロ…

PX-150 (15)

前回は、2端子スイッチング素子であるダイオードを使って、積分コンデンサに直列に接続する抵抗を、電流の向きによりスイッチングする回路を扱いました。 それに対し、今回は、3端子のスイッチング素子を使い、コントロール信号によって ON/OFF を切り換え…

PX-150 (14)

今回は、前回の記事で書き忘れたことの補足です。 まず、使用するショットキ・バリア・ダイオードの選択方法について何も述べませんでしたが、実際には、特別な制約はありません。 信号のトランジェントは μs オーダーであり、順方向電流は 2 mA 程度ですか…

PX-150 (13)

今回は、SX-150 方式のリニア VCO での直線性補正について考えます。 基本は、通常のリセット方式で使われる「Franco の補償」を流用したものです。 まず、周波数が低い領域では、通常のリセット方式と同様の誤差の誤差量となることを、式の上で示します。

PX-150 (12)

今回はコンパレータの伝達遅延 (応答速度) の影響について考えます。 まずは、上側のスレシホールド からです。

PX-150 (11)

今回は大電流領域で効いてくる2種の誤差の内のひとつを取り上げます。 一般的なリセット式のリニア VCO での誤差の出方については、Franco の補償 (高域補償) と関連して、すでに述べてあります。 SX-150 の方式では、リワインド式と同様に、一定電流を積分…

PX-150 (10)

リニア VCO 部の各種の誤差要因を式で表現し、測定結果と比較してみました。 小電流領域での要因として1種、大電流領域での要因として2種を考慮しましたが、大電流領域での一致が良くありません。 おそらく、定式化しにくく考慮していない要因のためと思わ…

PX-150 (9)

リニア VCO 特性のリファレンスとして、原理的に誤差要因の少ないリワインド式の回路を構成して測定してみました。 回路図を下に示します。

PX-150 (8)

プルアップ/プルダウン付きの NJM2904 で、入力電流の多い領域で、のこぎり波の上端がクリップした状態の波形写真を下に示します。

PX-150 (7)

だいぶ間があいてしまいましたが、各種の OP アンプを差し替えてリニア VCO の特性を測定してみました。 測定回路を下に示します。

PX-150 (6)

最後は LM358/LM324/LM2904/LM2902 の系統の OP アンプのグループです。 JRC 製、NS 製、MOTOROLA 製、NEC 製の LM2904/LM358 の波形写真を示します。

PX-150 (5)

今回は 5 V 電源では規格外の使用となる OP アンプのグループです。 正負両電源ではポピュラーな JFET 入力の TL082 系列の、NJM072 と NJM2082 です。 どちらも動作電源電圧の最小値は ±4 V (単一電源では 8 V) です。 当然、5 V 電源では規格外となります。

PX-150 (4)

今回は CMOS OP アンプのグループです。 MOS FET 入力なのでバイアス電流は少なく、入力電流の小さい時、つまり低い周波数でも問題ありません。

PX-150 (3)

今回からは、OP アンプの種類別に波形写真の説明をしていこうと思います。 まず最初に説明すべきなのは LM358 のグループなのですが、JRC 製の NJM2904 の波形写真の準備がまだできていないので後に回し、今回はその他のバイポーラ OP アンプのグループです。

PX-150 (2)

SX-150 のリニア VCO 部分の回路図を下に示します。 OP アンプによる積分器と、OP アンプによるヒステリシス・コンパレータを組み合わせた、リセット型 VCO に分類されるタイプです。

PX-150 (1)

私は SX-150 を持っていないので、実験用に SX-150 の VCO まわりの回路を基板に組みました。 実験が目的であり、音を聞いたり、演奏したりすることを意図していないので、EG や VCF は実装していません。 これを PX-150 (パクリ・エックスの意) と名付けま…

SX-150 の VCO の温度補償 (16) -- その他の補償 (4)

OP アンプ出力から抵抗を介して共通エミッタをドライブする形式のアンチログ回路では、Vbe に比べて OP アンプ出力を「大振幅」で動作させることにより、前に述べたような機能を持たせています。 正負両電源方式では、±10 V 電源の場合でも OP アンプ出力と…

SX-150 の VCO の温度補償 (15) -- その他の補償 (3)

Minimoog 前期型のアンチログ回路を下に示します。 前回示した一般的な回路では、抵抗を介して OP アンプ出力から共通エミッタ電流 (テイル電流) を供給していたのに対し、この回路では、トランジスタを使ってテイル電流の値をコントロールしています。

SX-150 の VCO の温度補償 (14) -- その他の補償 (2)

「エミッタ電流のセンス」の例として、Minimoog 前期型のアンチログ回路を取り上げます。 この回路は一般的な、エミッタを結合したペア・トランジスタによるアンチログ回路です。 この回路形式は、単電源動作でも十分実現できることを示します。 その前に、…

SX-150 の VCO の温度補償 (13) -- その他の補償 (1)

これまでは、ベース電流補償のような回路的な要因による誤差を扱ってきましたが、ここでは、トランジスタ自体の持つ誤差の補償を考えてみたいと思います。 理想的な ΔVbe - Ic 特性を阻害する要因のひとつとして、「エミッタ直列抵抗」としてシミュレーショ…