アナログシンセ回路
前回の回路図では、部品に番号を付けていませんでしたが、番号なしでは今後の説明が面倒になるので、XR2209 の説明の時に適当に付けた番号と同じ働きのトランジスタには同じ番号を振って、回路図を書き直しました。 LTSpice による回路シミュレーションも行…
秋月で取り扱いが始まった、話題の「XR2206」ですが、私はまだ入手していないので、回路的な検討だけでも始めようと思います。 データシートには内部の等価回路が掲載されていますが、残念なことに、いくつかの誤りが見られます。 気が付いた誤りを訂正し、…
秋月で扱っている 10 個入り 100 円のショットキ・バリア・ダイオード「HN2S01FU」を入手したので、リニア VCO の Franco の補償に使ってみました。 今回は、MC14577 を使用して波形写真を撮るだけで、特性の測定はしていません。 いつものように、まず、電…
今回は、トランジスタ・ラダー構成で、1次の (電圧可変) オールパス・フィルタ (APF) を実現します。 4次 LPF 特性を実現できるトランジスタ・ラダー回路を使いながら、まともに実現できるのは1次 APF 特性に過ぎないので、ここまで来ると、かなり無理や…
ブレッドボードでトランジスタ・ラダー構成上に Bach トポロジーの2次 LPF/BPF を実現する実験を行いました。 回路図を下に示します。
今回は、トランジスタ・ラダー回路の「構成」だけを利用して、Q 可変の LPF に仕立てる原理としては Sallen-Key 型の方法を採用した回路について説明します。 いま、「Sallen-Key」といいましたが、各1次 RC フィルタの間にバッファが入る構成については、…
BPF13 についてブレッドボードで実験してみた結果を示します。(回路図はこちら→) 回路図には、BPF13、BPF11、HPF10 の各入力を示してありますが、実験してみたのは BPF13 だけです。 BPF12 に対応するラダー段は回路の簡略化のため、カレントミラーの入力側…
2 次の伝達関数を実現する、バイクワッド (双二次: biquad) 回路あるいはステートバリアブル (状態変数: state variable) 回路では、ひとつの回路から LPF/BPF/HPF などの複数のフィルタ出力を同時に取り出すことができます。 Moog タイプのトランジスタ・ラ…
ブレッドボードの写真を下に示します。 画面上部が NJM317 による 3V 電源、画面下部左側の 16 ピン DIP IC が NPN トランジスタアレイ TD62507P、画面下部中央少し右よりに変換基板に実装した 2SA1618 を2個並べてあります。 少し見えにくいのですが、右側…
ブレッドボード上に実験回路を組んでみて、一応の動作を確認しました。 実験している回路図はこちら (→) です。 ブレッドボード上の面積の節約のため、差動増幅部には、低電圧オーディオ・パワーアンプ IC である LM386 を使用しました。 ノイズの問題などか…
VCF のレゾナンス (Moog 用語ではエンファシス) を下げた状態、つまり、負帰還量を下げた状態でのシミュレーション結果のグラフを下に示します。
これまで、トランジスタ・ラダー型フィルタの回路シミュレーションをきちんとやったことがなかったので、まずは、原型となる Minimoog のオリジナル回路の LTSpice シミュレーションを行いました。 結果の周波数特性 (AC 解析) のグラフを下に示します。
「Analog2.0」の作者の Gan さんが、ブログ「Gaje」で Analog2.0 最後のモジュール VCF の設計が固まったことを報告してらっしゃいます。 OTA 使用のタイプから設計変更した回路はまだナイショということですが、VCF 基板の写真を見れば、一目で Moog タイプ…
今回は CMOS アナログスイッチによる回路です。 下の回路図のように、当初はワンゲート CMOS ロジック (0.95 mm あるいは 0.65 mm ピッチの 5 ピン・パッケージに CMOS ロジックを1回路のみ内蔵したもの) の TC4S66F を使った回路を試したのですが、アナロ…
前回は、2端子スイッチング素子であるダイオードを使って、積分コンデンサに直列に接続する抵抗を、電流の向きによりスイッチングする回路を扱いました。 それに対し、今回は、3端子のスイッチング素子を使い、コントロール信号によって ON/OFF を切り換え…
今回は、前回の記事で書き忘れたことの補足です。 まず、使用するショットキ・バリア・ダイオードの選択方法について何も述べませんでしたが、実際には、特別な制約はありません。 信号のトランジェントは μs オーダーであり、順方向電流は 2 mA 程度ですか…
今回は、SX-150 方式のリニア VCO での直線性補正について考えます。 基本は、通常のリセット方式で使われる「Franco の補償」を流用したものです。 まず、周波数が低い領域では、通常のリセット方式と同様の誤差の誤差量となることを、式の上で示します。
今回はコンパレータの伝達遅延 (応答速度) の影響について考えます。 まずは、上側のスレシホールド からです。
今回は大電流領域で効いてくる2種の誤差の内のひとつを取り上げます。 一般的なリセット式のリニア VCO での誤差の出方については、Franco の補償 (高域補償) と関連して、すでに述べてあります。 SX-150 の方式では、リワインド式と同様に、一定電流を積分…
リニア VCO 部の各種の誤差要因を式で表現し、測定結果と比較してみました。 小電流領域での要因として1種、大電流領域での要因として2種を考慮しましたが、大電流領域での一致が良くありません。 おそらく、定式化しにくく考慮していない要因のためと思わ…
リニア VCO 特性のリファレンスとして、原理的に誤差要因の少ないリワインド式の回路を構成して測定してみました。 回路図を下に示します。
プルアップ/プルダウン付きの NJM2904 で、入力電流の多い領域で、のこぎり波の上端がクリップした状態の波形写真を下に示します。
だいぶ間があいてしまいましたが、各種の OP アンプを差し替えてリニア VCO の特性を測定してみました。 測定回路を下に示します。
最後は LM358/LM324/LM2904/LM2902 の系統の OP アンプのグループです。 JRC 製、NS 製、MOTOROLA 製、NEC 製の LM2904/LM358 の波形写真を示します。
今回は 5 V 電源では規格外の使用となる OP アンプのグループです。 正負両電源ではポピュラーな JFET 入力の TL082 系列の、NJM072 と NJM2082 です。 どちらも動作電源電圧の最小値は ±4 V (単一電源では 8 V) です。 当然、5 V 電源では規格外となります。
今回は CMOS OP アンプのグループです。 MOS FET 入力なのでバイアス電流は少なく、入力電流の小さい時、つまり低い周波数でも問題ありません。
今回からは、OP アンプの種類別に波形写真の説明をしていこうと思います。 まず最初に説明すべきなのは LM358 のグループなのですが、JRC 製の NJM2904 の波形写真の準備がまだできていないので後に回し、今回はその他のバイポーラ OP アンプのグループです。
SX-150 のリニア VCO 部分の回路図を下に示します。 OP アンプによる積分器と、OP アンプによるヒステリシス・コンパレータを組み合わせた、リセット型 VCO に分類されるタイプです。
私は SX-150 を持っていないので、実験用に SX-150 の VCO まわりの回路を基板に組みました。 実験が目的であり、音を聞いたり、演奏したりすることを意図していないので、EG や VCF は実装していません。 これを PX-150 (パクリ・エックスの意) と名付けま…
OP アンプ出力から抵抗を介して共通エミッタをドライブする形式のアンチログ回路では、Vbe に比べて OP アンプ出力を「大振幅」で動作させることにより、前に述べたような機能を持たせています。 正負両電源方式では、±10 V 電源の場合でも OP アンプ出力と…