2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

SSM2164 応用回路 (1) --- PTAT 電圧源

SSM2164 (V2164) の応用回路として、絶対温度に比例した電圧を出力する PTAT (Proportional To Absolute Temperature) 電圧源を作ってみました。 簡単に言ってしまえば、チップのジャンクション温度を測る温度計です。 このような応用には、 OVCE の「Elemen…

V2164 の特性測定 (6)

前回の補償回路は、Vc の値により変化するベース電流に、シンク方向の補償回路の電流を重畳し、差動ペアの左右それぞれのトータルのバイアス電流を均等に保つものでした。 今回はシンク方向のベース電流にソース方向の補償電流を重ね、バイアス電流をゼロに…

V2164 の特性測定 (5)

LTspice 用の SSM2164 シミュレーション回路にベース電流補償回路を組み込んでみました。 (回路図は→こちら) 補償回路部分の回路を下に示します。

V2164 の特性測定 (4)

US Patent 4,823,093 "DYNAMICALLY BIASED VOLTAGE CONTROLLED ELEMENT" の Fig.6 の一部を抜粋し、少々の変更を加えた図を下に示します。 これは NPN トランジスタ 7 個からなるベース電流補償回路です。

V2164 の特性測定 (3)

SSM2164 の回路構成に何か名前が付いていないかを調べていたら、同様の構成を持つ SSM2014 / SSM2018 / SSM2118 のデータシートに「Frey Operational Voltage Contorolled Element」(略称は「OVCE」、「Frey」は人名) という記述を見つけました。 「OVCE」と…

V2164 の特性測定 (2)

ゲインセルのテイル電流や、Vc 端子に接続されていないほうのトランジスタのベース電流は、チップ内部の量なので、当然、外部から直接測定することはできません。 テイル電流は前回の測定で求めた関係を使えば、30 μA のオフセットはあるものの、MODE 電流値…

V2164 の特性測定 (1)

温度補償回路の実験の前に、SSM2164 のコンパチ品である coolaudio V2164 チップ自体の特性を測定してみることにしました。 差動ペアのベース入力抵抗が気になるので、外部からベース電流を測ってみましたが、意外な結果となりました。 それは後回しにして、…

アナログシンセの VCO ブロック (37) -- 温度補償回路(7)

SSM2164 のゲインセルの差動ペアのベースには、VCA としてのコントロール電圧入力端子 Vc に外部から加えられる電圧を内部の抵抗で 1/10 に分圧したものが与えられています。 前回の「差動ペアのベースに接続されている抵抗」とは、この分圧回路の 4.5 kΩ と…

アナログシンセの VCO ブロック (36) -- 温度補償回路(6)

SSM2164 は現行品であり、Digi-Key でも単価 620 円で1個から買えますが、7,500 円未満の注文では割高な送料がかかります。 そこで、別の国内の通販からコンパチ品の coolaudio 製 V2164D (単価 350円) を買うことにしました。 別に急ぐわけではないので、…

アナログシンセの VCO ブロック (35) -- 温度補償回路(5)

今回は、差動増幅回路による温度補償回路の誤差の量 (の理論値) を評価したいと思います。 一般の数値計算では、指数関数、対数関数、三角関数などの値を求めるのに、その関数を (無限) べき級数で展開した式を有限項で打ち切った近似式を用いて計算するのが…

アナログシンセの VCO ブロック (34) -- 温度補償回路(4)

今回は、差動増幅器を使って、ゲインが絶対温度に比例するアンプを (近似的に) 実現できる原理の説明をします。 まず、以前の記事でも示した、エミッタ結合型の普通のアンチログ回路を示します。

アナログシンセの VCO ブロック (33) -- 温度補償回路(3)

houshu さんの SSM2164 を使った温度補償回路の LTspice シミュレーションの追試のようすを書きます。 (→こちら)が回路図入力です。 トランジスタなどの番号は、システムが勝手に振っていった番号そのままで、houshu さんの回路図の番号とは合わせてありませ…

アナログシンセの VCO ブロック (32) -- 温度補償回路(2)

ゲインが絶対温度に比例する温度補償回路と、ベース結合アンチログ回路とを、同一の NPN トランジスタ・アレイ・チップ上の NPN トランジスタで構成した回路案を下に示します。 入力側はオーソドックスに OP アンプを使って CV 入力の加算をし、温度補償回路…