4 次 VCF CEM3320/V3320 (15) --- 4 次 BPF (1)

 データシート記載の 4 次 BPF 回路では、ステージ 1 のゲインセルが HPF 構成になっているので「正しくない」フィードバックが掛かることになります。
 ステージ 1 のゲインセルが LPF になるように 1 次フィルタの順序を入れ替え、外部に設けた反転増幅回路と併用すれば、「正しいフィードバック」が掛かる回路にできます。 その構成では、内蔵のフィードバック・ゲインセルを活かすことができ、フィードバック量を電圧 (電流) 制御することができます。
 まずは、「正しいフィードバック」の場合の周波数特性を伝達関数から求めます。

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4 次 VCF CEM3320/V3320 (12) --- 4 次 HPF (1)

 CEM3320 / V3320 のデータシートには 4 次 LPF だけでなく、4 次 HPF / APF / BPF を実現する回路が掲載されていますが、内蔵の回路のみを使う場合、 LPF 以外はフィードバック経路が「正しくない」形になります。
 そのため、理想的な特性からはズレて、特にカットオフ周波数は 1 次フィルタのカットオフ周波数の 2.4 倍とか、0.42 = 1/2.4 倍とかの値となってしまいます。 もちろん、外部に追加の回路を設ければ「正しい」特性を得ることができます。
 まずは、「正しい」特性の 4 次 HPF の LTspice シミュレーションから始めます。

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4 次 VCF CEM3320/V3320 (11) --- 4 次 LPF (3)

 周波数 CV の値は固定し、フィードバック量をステッピングしてレゾナンス量を変えた 4 次 LPF の回路を LTspice で記述したものを下に示します。 「回路図」の部分は 2020 年 12 月 17 日付けの記事 (→こちら) の「通常電流版」と同一なので省略し、spice コマンドを貼り付けた部分のみを示します。

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